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2025年から大学入学共通テストが更に刷新へ

May. 08, 2021 その他

センター試験に代わる大学入学共通テストがスタートしたが、本丸の改革は2025年1月の共通テストとなる。今週大学入試センターが新教科のサンプル問題を公表した。問題作成に係わる大学教員などの負担軽減を図るため、現行の6教科30科目を7教科21科目に再編しスリム化する。高校で22年度から実施される新しい学習指導要領で学んだ生徒(現中3生)が初めて受験する年に当たる。現行の共通テストから変わる主な変更点を挙げると、

★「情報I」が必須科目に追加
デジタル社会の進展で重要性が高まっている「情報I」を必須科目として新たに加える。情報に関する法制度、情報モラル、プログラミングなどを学ぶ。これまでは「社会と情報」かプログラミングなどを学ぶ「情報の科学」のどちらかを選択する必須科目だったが、プログラミングを学ぶ高校生は少なかった。各社の教科書では採用するプログラミング言語が分かれたが、多かったのはAI開発などに使われるPythonとJava Scriptだった。高校でも様々な言語を検討することになりそうだ。
★社会科目の再編成
現行の教科の中で最も変わるのは地理歴史と公民だ。現在6科目に分かれている地理歴史は、新学習要領で新設される必須科目の「地理総合」「歴史総合」と探求系の選択科目を組み合わせ3つに集約する。公民は新必須科目「公共」を軸に2科目に再編する。地理歴史と公民を横断する形で新必須3科目を組み合わせ、うち2つを選択して解答する「地理総合、歴史総合、公共」も新設する。「歴史総合」では選択科目の「世界史探求」と「日本史探求」を組み合わせ「地理総合」では「地理探求」と組み合わせて出題されるという複雑な仕組みになる予定。
★数学の再編成
数学は「数学I」「数学IA」は継続し「数学IIB」の代わりに「数学II・B・C」が登場「数学II」は廃止される。数学Bの2項目(数列、統計)、数学Cの2項目(ベクトル、複素数平面)から3項目を選ぶ形となる。代ゼミ教育推進本部は「特に文系は、やることが増えるように思うのではないか」と指摘する。
★理科の再編成
理科は「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」と名称は1つにまとめるが、今まで通り2科目選択でよいとのこと。文系の皆さんよかったですね!
★英語4技能を測る目的の英検などの民間試験の導入については、共通テストの再編とは別に、有識者会議で議論が続けられているが、公平性などの課題が解決されない限り「導入は極めて困難」との否定的な見方が広まっている。この夏にも提言が出されるとみられる。

これを受け、2025年1月に初回の受験生となる新中3生や保護者から不安の声が聞かれた「情報Iなど過去問がないので受験対策が不安」「子供にプログラミングをどう習わせればいいのか?」大学入試改革で準備の早期化が加速する中、4年後に受験を迎える中学生らは試験本番に向け学習スタイルの変化を求められるようになるとのこと。現高1生の皆さんは浪人してしまうと、今年の既卒生のように「受験制度の狭間で翻弄されてしまう」ことになるので是非とも現役突破して下さい!

また、国語と数学IAで導入が検討されていた「記述式」問題の導入は断念するようです。約50万人分の答案を短期間、かつ公平性を担保した基準で採点するのは困難なので、記述力は各大学の個別試験で測定すればよいと思います。記述問題を作問できないFラン私大に問題があるわけで、国公立は殆ど全ての大学が2次試験で記述問題を出題できています。