歴史総合は実は世界史だって!?
来年高校に入学する新高1生から「歴史総合」が必履修科目となりその生徒が高3になる25年に実施される大学入学共通テストから社会の選択科目として出題される。今までのように日本史だけ、世界史だけでは受験できなくなるので、特に社会が2科目必要な文系への影響が大きい。
或る世界史の塾講師の方が「歴史総合は実質的には世界史だ」と指摘していた。山川出版などの世界史の教科書で共通テスト歴史総合のサンプル問題はほぼ解けるが、日本史の教科書では6割~7割しか解けない。歴史総合は「これまでの世界史を基盤に日本に関する部分が厚くなった」と考えてもいいとのこと。
思考力重視の共通テストでは他の科目と同様に、資料(史料)を読み解く力が要求される。センター時代の日本史・世界史は努力以外に差が生まれない暗記科目だったが、歴史総合は教師に求められる指導力が高度になり、どの教師につくかによって点差が大きくつくようになるとのこと。歴史総合が始まると社会科は塾不要、自学するものという時代は終わるのではないかと警笛を鳴らす。
歴史総合の土台となる世界史の難しい点は極めて抽象的な科目であるところだ。ただ、抽象的なネタには限界があり用語でいえば全体主義、主権、民族、ナショナリズムなど20程度。これらを単に記憶するのではなく概念として理解し、具体的な事例を意識的に追いかける必要がある。
一方、共通テスト試行調査のサンプル問題は新指導要綱の教科書の検定中に作成した問題で教科書と照合したものではない。入試問題は変わっているのに教科書は今までの世界史と日本史の通史のミックスで変わっていないことも問題だ。教える側が変化に対応できなければ生徒に理解させるのが困難となる。
東大を目指す文系諸君のようなW史を選択する歴史強者は別として、 25年度入試からは世界史を選択する方が日本史選択より有利となるだろう。入口である歴史総合が世界史をベースとするからだ。地理選択なら総合科目も地理一本なので影響はない。情報処理が得意な理系の受験生には地理選択をおススメしたい。
今年も元日返上で共テ本番の形式変化(変異)に備えるために直前のブースター授業を敢行しますが、高3生全員「参加します!」とのこと。児島からはるばる金曜深夜まで参加してくれる公立中高一貫校生、日曜の早朝授業に休日にも係わらず来てくれる伝統校の生徒さんなど「執念のある」塾生が自慢です。英語力を伸ばすには継続できる力が必要です。