延べ合格者数と実進学者数との違い!?
補欠合格で多数繰り上がる私立医大の合格者数は全ての医専予備校の延べ合格者数を足すと定員をはるかに超える人数になります。さすがに国公立大学医学科は1人1校しか合格できないので水増しできませんが、官立医学科である防衛医大・自治医大・産業医大を合算して発表する学校、予備校は粉飾可能です。
防衛医大は1月に正規合格者を発表し合格をキープしたまま国公立医学科の前・後期を受験できます。後期の合格発表後の3月下旬に追加合格を出すので、予備校は防衛医大補欠合格者をどんどん追加していきます。正規合格者の多くはどこかの国公立医学科に進学し、防衛医大は受験生が既に国医に合格していても補欠合格の連絡をしてくるので、正規+補欠合格者>実進学者となります。
自治医大は国公立医学科の前期・後期試験日に各都道府県庁に本人が出頭させられます。しかし、国公立医学科の地域枠推薦(専願扱い)に合格した正規合格者は自治医を辞退せざるを得ないので繰り上げ合格者(=進学者)と正規合格者を重複カウントできます。お向かいの予備校さんは当初発表した正規合格者7名に繰り上げ合格者7名を足して14名と発表しました。集まるのは中四国の約6県からの浪人生、最終進学者が各県2名として、広島・岡山・徳島・愛媛・高知・鳥取県で7名以上現役が合格しており、中四国6県の進学者全員足しても14名はあり得ない数字です。
医歯薬系学部合格者を水増しする方法として次の手口があります。
・医学部医学科でまとめて補欠合格の多い私立医大延べ人数で数を稼ぐ
・できるだけ良い実績に見える「年度合算」で切り取って発表する
(最近の実績が悪化している業者がよくやる手口)
・国公立医学部でまとめて看護学科や作業・理学療法学科等も合算する
・国公立薬学部として6年制薬学科と4年制創薬学科(薬科学科)を混ぜる
(薬学科と創薬学科では共テ合格平均点が50点以上違ってきます)
東大合格者41年連続トップの開成、東大現役合格率トップの筑波大附属駒場などは合格者と進学者を分けます。実人数での公表はよほど自信のある学校しかできません。どこの学校も予備校も延べ合格者の数で水増しして集客するのに必死なので。私は高校や受験塾の真の実力は現役合格率だと考えます。粉飾された合格者数をそのまま鵜呑みにすることなく、実人数ベースの合格確率を確認されることをおススメします。