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新学習指導要綱で負担増は確実!?

May. 28, 2022 その他

新高1生は新学習指導要領での最初の大学入試を受験する。そんな新たな教科書の検定結果が公表された。新学習指導要領の下では従来一つの科目で扱ってきた論理的、文学的な文章を分けて教えることになる。一方、出版社や学校現場からは「切り分けられない」との声も根強く、今回の検定では2社が主に評論や実用文を扱う「論理国語」に敢えて小説を盛り込んだ。

文科省は論理的、実用的な国語を培う高校1年の必須科目「現代の国語」と同様に高2から教える「論理国語」にも小説が入る余地はないとの立場をとる「論理国語」の主教材として想定するのは評論や学術論文・法令文などだ。小説や詩歌といった文学的文章は別の選択科目「文学国語」で扱うとする。

しかし、或る大学教授は今回の国語改革は針が振れ過ぎており、新学習指導要領による科目再編は文学と論理を二項対立の構図に置いた点には問題があると指摘する。文学・評論など多様な文章と融合的に学ぶことに意義がある。棲み分けを明確にしたことで国語教育から多様性が失われることを危惧する。

こうした切り分けには、学校現場からも「授業編成がしづらい」と戸惑いの声が広がる。授業時間の制約もあり入試で重要な古典科目を優先し、論理・文学のいずれかを諦める学校もある。或る都立高校は、2年生からの国語の選択科目として「文学国語」と「古典探究」を選択した。「論理国語」については評論文の副教材を利用することで対応するようだ。国語全体の制限時間も従来の80分から90分に延長され実用文のステルス追加が噂されている。

新学習指導要領では、社会科の地歴と公民にも大きな変更があり、現行の日本史B・世界史Bに代わり、18世紀以降の日本史・世界史の横断科目となる歴史総合、公民では公共が新設される。文科省は単純比較はできないものの16年度に検定を受けた現行教科書よりも平均ページ数が増えた科目が多かったと話す。各出版社が問題解決型の学習などに関するページや図表、グラフなどを充実させたためだとみられる。

全国の学校の教育現場では混乱が広がっている。必須科目となった地理総合については地理の教員の絶対数が少なく、日本史・世界史を並行して学ぶ歴史総合ではそもそもW史を専門とする教員が存在しない、といった声が聞こえてくる。さらに高校教員を悩ませているのは公民科の新科目「公共」だ。教科書を開くと「模擬国会をしよう」「模擬裁判をしよう」など、実体験や探求を求めるページが続く。

国立大学協会では現高1生が受験する25年度入試から「情報」を必須科目にする方針を発表し、国立大学入試は5教科7科目から6教科8科目に変わる「センター試験から共通テストに変わった21年度の大学入試改革が注目されたが、新学習指導要領こそが教育改革の本丸だ。どの大学も入試を根本的に変えることになる」と或る国立大の入試担当者は語る。

大学入試センターでは25年度入試で「浪人生に対し配慮を行う」と発表しているが、旧学習指導要領で学ぶ高校2・3年生にとってはギャップが大きく「浪人は禁物」と注意を呼び掛ける高校の進路指導部も少なくない。高2生の皆さん、絶対現役合格を目指して下さい!入試改革の狭間で浪人するのはハイリスクでしかありません。