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22年度共通テストはコロナで不受験でも救済措置なし

Dec. 07, 2022 その他

永岡文部科学相は記者会見で新型コロナウイルスの影響で来月1月に実施する2022年度の大学入学共通テストを受けられなかった受験生への救済措置は実施しないと発表にした。感染者の療養期間などが短縮され、本試験と追試験を両方を受験できないのは想定しにくいことが理由、濃厚接触者に対して条件付きで別室受験を認めるなどは継続する。

今春の共通テストではオミクロン株の感染急拡大を受け、文科省は本試験と追試験両方とも受けられなかった受験生について、各大学の個別試験のみで合否を判定を可能にするよう全国の国公私立大学に要請していた。同省によると、救済措置の対象となった受験生は19大学で延べ24名にとどまり、対象者が少なかったことも救済取りやめの理由となった。

来年の共通テストは本試験が1月14・15日、追試験は2週間後の1月28日・29日に実施される。コロナ感染者の療養期間は原則10日間から7日間に、濃厚接触者の待機期間も10日間から5日間に短縮されており、文科省は2週間の間隔があれば、受験できないケースはほぼないとみている。尚、共通テストの追試験会場を全都道府県に設置、国公私立大の個別試験を受けられなかった受験生のための追試験の実施を各大学へ要請する対応策は継続する。

昨年は個別試験が受けられず共通テストの得点のみで合否判定された受験生は述べ5名いた。東大では共通テストが受けられず個別試験のみでの合格は0名、個別試験が受けられず共通テストのみでは1名合格だったことからも、センター試験よりも難易度が上がった共通テストの学力測定能力には国立大学側も信頼を置いていることがうかがわれる。

共通テスト第1期生の受験時には3カ月に及ぶ休校期間があったことから「学校の履修時間が不足した現役生が出題範囲で不利にならないように」という文科省からの通達により、香川大医学科の2次試験では1時限目の数学で過去出題されたことのない選択問題が出され、第1期生の男子くんは得意の数学が上手くいかなかった。2時限目の英語では差がつく自由英作文など鍛えてきた記述英語で巻き返して志願倍率4.8倍の熾烈な戦いを勝ち抜いてくれたが、想定外の展開でもパニックにならなかったのは小学生の頃から努力してきた底力があったからだろう。ご父兄からは「全ては英語に救われました!」と有難いお言葉をいただいた。

一方、四国の女子さんは薬学人気で前期の志願倍率が5倍を超えた長崎大薬学部薬学科まで絶対現役合格を取りにいったが、中期の山陽小野田市立大薬学部が2次試験を中止したため、8割前半取れていた共テ得点のみで抑えの公立大薬学科合格をほぼ確定していた心の余裕は大きかった。新型コロナウイルスが感染拡大した2年前は首都圏の難関大学である横浜国立大も2次試験を中止するなど前代未聞の大学入試だったのである。

直前の対策でもある程度得点できた知識偏重型のセンター試験時代のレガシーから抜け出せない大手塾さんもあるようだが、当塾は変動の激しい思考力重視の共通テストに全集中してこれまで戦ってきている。毎年ゲームの展開が変わる安定しない状況は新指導要領下で実施される24年度入試まで続くとみられるが、未知の新入試に挑んだ先輩達の経験値を後進の塾生にも活かしていきたい。