基礎と応用のバランスが大切では?
英単語の記憶や文法の理解、英語リスニングの耳慣れなど積み上げが大切な英語の成績の上がり方はキレイな正比例のグラフの形状にはならない。ある地点であまり上がらない状態が続いて、ある所からブレークし始める形状となる。努力しているのに上がらない期間こそ勝負所だ。そこを我慢して根気よく続ければその内にじわじわ上がり始める。そうやって上がった成績は急には下がりにくいものだ。それなりの勉強を積んでいながら停滞する生徒のケースとしては、
★基礎の学習を疎かにしているケース
高校の授業が基礎の習得になると割り切って自学自習では応用問題ばかりに取り組んでいる場合。発展的なレベルの問題集を数多くこなしていながら、基礎的な理解が所々抜け落ちているので消化不良に陥っている。英語の場合、単語・文法(中身)が入ってないと長文読解を演習しても上滑りするだけだ。
★基礎を過度に重んじて失敗するケース
英語の基本的な文法や英熟語を集めた問題集を繰り返し何周も回すだけ。基礎知識は定着しているようだが、少し手の込んだ応用問題になるとすぐつまずいてしまっている。
基礎が大事なのは当然だが、基礎にばかりこだわり過ぎて次の段階に踏み出せないようでは入試本番に到底間に合わない「基礎とは何か」を明確にしないでいると、勉強が機械的な作業になってしまう恐れもある。勉強は面倒くさいものだ。覚えるのも理解するのも、英単語の不規則な派生変化を覚えるなんて超面倒くさい。おそらくできるようになる子は勉強が毎日の習慣になっていて面倒くさいと思わなくなっているのだろう。
思ったような成果が出ない人は自分の頭でギリギリまで考える体験が足りず、表面的な勉強で終わる傾向がある。集団でも映像でも授業を聞いて「わかったつもり」で終わっている人、単純に答えを覚えるだけで「なぜその結果になるか?」の理解が抜けている人は、時間制限が厳しくプレッシャーのかかる本番の試験で自分の力で考え抜き、解き切ることができずに終わってしまうことが多い。
ここで大事なのは基礎が活かせたという実感は、ワンランク上の問題を脳に汗をかいて取り組まない限り生まれないことだ。基礎に立ち戻る姿勢は大事にしつつ、応用的な問題にも挑戦しなければならない。その一歩が次の段階に向けた新たな基礎となる。そのような広い視野での考え方を受験生の皆さんには共有してもらいたい。