入試改革は上位層が対象なのか?
今回の「高大接続改革」は大学入試改革で高校教育を変える改革です。文部科学省は、予見が困難な現代で新たな価値を創造していく力を育てるためには学力の3要素(①知識・技能②思考力・判断力・表現力③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)を育成・評価することが重要であり、そのためには大学入試改革を行う必要があるとしています。いろいろ理想論はありますが、現実として全国のいわゆる進学校は大学入試の準備教育で競争し、高校の学習も入試に左右されてきました。
では今回の入試改革はどの層を対象とした改革なのでしょうか?公立高等学校校長会の会長は「上位層の生徒が対象」と話していました。たしかに大学入試というテコが効くのは入試を目指す一部の高校生だけで、共通テストを受験しない学力下位層には無縁です。これらの層は英語民間試験も記述式問題も最初から捨ててしまいます。逆に東大、国立医学科を目指すような最上位層はこの程度の難化ではびくともしないでしょう。岡山の伝統校、私立トップ校の英語トップ何位ぐらいまでが新テストに変わっても影響なく対応できるのでしょうか?
国語、数学の記述式問題も分量が多くなり、上位層でないと読み切れない。数学の変化球のような文章問題に耐えうるのも学力に余裕のある上位層。おそらく、今まで以上に上位層とそれ以下の層の格差が拡がることになるでしょう。地域格差と経済力格差が論点になりましたが、これは英語民間試験に限りません。小さい頃から塾通いをして進学校に入らないと難関大学合格は難しい。都市部の裕福な家庭の子弟が受験に圧倒的に有利なのが現実です。
統計データを分析するのが大好きな講師は、2月にかけて複数実施された全国共通テスト模試の結果を楽しみにしています♪センター試験以上に思考力が重視され全部正解問題など満点阻止の仕組みが埋め込まれた新マーク式試験では各科目とも大幅に平均点が下がることから、これまでのセンター目標スコアも変動することが予想されています。東大のセンター9割目標も共通テストに変わると8割台に落ちることは必至です。
四国の田舎から世界を目指した講師は、進学した東京のトップ私大でも、就職した大手金融機関でも地方と都会の教育格差を身をもって感じてきました。「地方と都会の英語教育格差ストップ!」を理念を掲げスタートしたスーパーイングリッシュの挑戦はまだまだ続きます!