難関国公立大の最終難易度
大学入学共通テスト第1日目の担当としては昨日の結果が気になるところです。実は現役時代得意だった地歴も英語長文の背景知識で教えています。本番の地理Bでアメリカ合衆国が出題、トランプ嫌いの講師が熱く語った大統領選挙が見事的中しました!地理選択の皆さん、ちゃんと話聞いてくれてました?毎日新聞が4大模試の最終偏差値を掲載していたので、第1期生が受けてきた全国模試の体感と照らし合わせて21年度入試の志願者動向を分析してみます。
21年度の国公立大の一般選抜は、既卒生を中心に志願者の減少が見込まれている。そうした中、難関大を目指す受験生は強気で志望者は減っていないようだ。河合塾教育情報部は「全体的に安全志向を感じますが、現役生を中心に難関大を避ける動きは見られません。難関10大学(旧7帝大・一橋・神戸・東工大)の志望状況は堅調です。理系最難関の医学科志望者も減っておらず、現役生のチャレンジ志向を強く感じます」と志望状況を分析する。
気になるのはコロナ禍の厳しい状況で、受験生は勉強の遅れによる不安はなかったのだろうか?ベネッセ・教育情報センターは「難関国立大を目指す受験生の多くは、昨年4月の緊急事態宣言時の休校など、コロナ禍が勉強の進度に影響していないようです。20年度入試の安全志向の反動もあり、難関大の志望状況が堅調なのです」と語る。
例年、難関大を目指す受験生の学力は、1年以上のアドバンテージがある浪人生に分がある。しかし、本年に限っては現役生の学力が浪人生を上回っているようだ。駿台教育研究所は「難関大志望者の成績を見ると現役生が浪人生を圧倒しています。東大実戦模試の英数国の平均偏差値で、初めて現役生が浪人生を上回りました。今までこれほどの逆転現象を見たことがありません」と驚く。
この背景には、大学入試改革を避けた優秀な受験生が20年度入試で進学し、学力の高い浪人生が少ないこともある。今年の現役生は共通テスト記述問題の導入や英語民間試験活用の見送りなど、入試改革の迷走に翻弄されてきたが、ここ最近なかった「現役生優位」の入試になるのがせめてもの救いとなろう。
四国の国立医学科を目指す塾生がいますが、昨年20名合格させた高予備の浪人さん達が最後の共テ模試でも総志望者順位に乗っかってきませんでした。今年の防衛医大の1次合格者数は香川県が27名と、約3倍人口が多い岡山県の7名と比べ異常な多さでしたので、共テ模試が振るわない高予備が国立医学科合格者数を確保するため、防衛医大受験を予備校生に奨励したのかもしれません。
難関国立10大学では昨年と比べ志望者減の大学はない。東大・京大・北大・名大・一橋・東工大では5%以上増えている。一方、コロナ禍で地方から首都圏を目指す受験生が減っていることもあり、お茶の水女子大、筑波大、横浜国大などの準難関大では志望者が減少している。
地方の国立大は、首都圏とは対照的に準難関大の志望状況が堅調だ。コロナ禍で大都市部の大学を避け、地元に残ろうとする受験生が多いことから、金沢大、岡山大、広島大などの志望者は前年並みとなっている。
そして、地域を問わず増えているのは、国公立の医療系学部だ。背景には、受験生の景気悪化に対する不安感による資格志向の高まりがある。学部別の志望状況を見ると最難関の医学科の志望者が増えている。東進ハイスクールは「コロナ禍に立ち向かう医師の姿を見て、医療の尊さを感じる受験生が多いのでしょう。近年、医学科の志望者は減り続けていましたが、使命感を持つ受験生により人気が下げ止まったものと考えられます」と分析する。
21年度の国公立大入試は、終盤の伸びしろが大きい現役生中心の入試となるでしょう。2次試験まで(無事に実施されれば良いのですが…)までどれだけ学力を伸ばし、ライバルに差をつけられるかが合格のカギとなります。大事なのは、知らない初見問題にぶつかっても、その場で考えて何とか最適解にたどり着く経験を積むこと。第1期生の皆さん、最後までベストを尽くして下さい!