国際バカロレア(IB)で合格できる国公立医学科
中四国トップの国立大附属高や地元の公立伝統高でも今春現役1名ずつしか合格できなかった岡大医学科ですが、群馬国際アカデミー、静岡の加藤学園暁秀、福山の英数学館など聞いたことのない高校から現役合格者が出ています。これらの高校は国際バカロレア(IB)入試を利用して近年増えた国公立医学科のIB枠を狙ってきているのです。加藤学園のバイリンガルコースは、超難関の横浜市立大にも合格者を出しました。
2020年に国公立医学科で実施された国際バカロレア入試の結果は次の通り
東京医科歯科大学:募集2名/志願者4名/合格者1名(倍率4倍)
横浜市立大学:募集2名/志願者4名/合格者2名(倍率2倍)
筑波大学:募集3名/志願者8名/合格者1名(倍率8倍)
広島大学:募集5名/志願者2名/合格者1名(倍率2倍)
鹿児島大学:募集若干名/志願者1名/合格者1名(倍率1倍)
岡山大学:8月募集3名/志願者3名/合格者3名(倍率1倍)
岡山大学:10月募集2名/志願者12名/合格者2名(倍率6倍)
岡大医学科のIB枠は8月・10月募集で岡山県地域枠推薦の4名より多い定員5名。東京医科歯科、筑波、広島などの難関医学科ではIB志願者の学力が水準に満たない場合、定員まで採らず一般枠に回しますが、岡大は今春も「6名受験で5名合格」と、国公立医学科IB枠最多の定員いっぱいまで採っています。最近の河合塾偏差値で旧帝の名古屋・九州医と並ぶ位共テ得点率が上がった一般入試より圧倒的に岡医に合格し易いです。
グローバル教育の必要性が叫ばれる中、文科省は国内でIB課程を採用する学校を増やす目標を掲げています。広島大や鹿児島大は英検準1級で共通テスト英語みなし満点出すなど民間4技能テストを評価する大学なのでIB入試の採用も理解できますが、共通テスト英語のリーディング:リスニング配点も4:1と保守的な岡山大のIB枠を採用したのは何故でしょうか?近年追撃が著しい広島大と中四国トップ医学部を争う対抗意識のせいでは?と勘繰ったりします。
鴎州塾が広島市で経営するAICJという中高一貫校がありますが、ここ3年ぐらい毎年広大、岡大のIB枠で医学科に現役合格者を1名ずつ出し、今年は最難関の東京医科歯科大のIB枠にも合格させています。医学科で要されるIBディプロマは2年間で取得でき、世界統一試験があるものの在籍高校の教員が評価する学習課題の割合が3割程度あるので、一般の生徒が入試に備える5教科7科目の受験勉強よりかなり負担が軽い上、IB入試は一発勝負の一般入試と違い、何校も併願できるので合格確率は高まります。英語が得意な生徒さんにはお勧めしたい難関医学科合格への戦略の一つです。IB認可校となった朝日塾中教さんも狙ってくるでしょうね。