地元の国公立医学科に強い全国の高校(2021年度)
残念ながら岡山大医学科は難易度が旧帝医学科並に上がった上、地域枠推薦が4名しかないので地元の高校が多数合格させるのが困難となっています。しかし全国を見ると、最高30名程度採る地域枠も利用し地元の国公立医学科に15名以上の合格者を出している高校が19校もあります(◎は私立、△は国立、防衛医大除く)
(2021年国公立医学科合格者数)
札幌南52名:北海道大15名、札幌医大25名
秋田27名:秋田大21名
◎桜陰54名:東京医科歯科大15名
新潟43名:新潟大23名
富山中部28名:富山大17名
岐阜33名:岐阜大17名
◎東海93名:名古屋大30名
藤島32名:福井大17名
膳所24名:滋賀医大15名
△広大附属33名:広島大18名
高松34名:香川大17名
◎愛光55名:愛媛大22名
◎土佐22名:高知大15名
◎久留米大附設90名:九州大26名
◎青雲50名:長崎大21名
熊本66名:熊本大35名
大分上野丘28名:大分大23名
鶴丸29名:鹿児島大22名
◎昭和薬大附属43名:琉球大28名
これらのデータから傾向をまとめてみると、
★各道府県の公立伝統校が強い
国公立医学科合格者数ランキングではトップ30位中23校が私立中高一貫ですが、地元医学科では各道府県の公立伝統校も強く、国医合格者66名と公立トップだった熊本は旧制熊本中、52名で2位の札幌南は旧制札幌一中。秋田、岐阜、藤島、膳所、高松、大分上野丘、鶴丸も各県の旧制中学の流れを継ぐ名門校です。
★理数コースを置く公立校が強い
秋田、新潟、膳所高校は理数科、富山中部高校は探求科学科という特進クラスに上位層を集め理数科学の英才教育を行う。新潟高理数科は2年次からメディカルコース(医歯薬系)とサイエンスコース(理工学系)に分けるという力の入れよう。
★地元医学科の地域枠の定員が多い
札幌医大は北海道選抜枠が35名、県内の高校出身者しか受験できない地域枠は、秋田大20名、新潟大22名、富山大25名、福井大20名、岐阜大28名、滋賀医大21名、愛媛大30名、長崎大30名と20名以上の県内枠を採る国立医学科があります。
★地元国立大教育学部附属中学のトップが集まる
岡山でも岡附中から岡山朝日が黄金ルートで当塾でも生徒の主力ですが、各県のトップ公立校も同様に地元国立大教育学部附属中学の最上位層が集まります。
地域枠のはしご無しにガチの勝負をする高校は、名大医学科の約3割を占める東海、推薦枠ゼロの九大医学科で断トツの久留米大附設 、東京都民枠がない最難関の東京医科歯科に最多の合格者を出した桜陰など 。それぞれ国公立大学医学科合格者数、現役合格率、女子校全国トップの高校なので実力通りの結果でしょう。
岡山県の国公立医学科合格者数(防衛医除く)トップは岡山白陵の21名、現役合格者数トップは岡山朝日の9名(香川医5名)でした。地域枠が4名しかなく合格者数トップの岡白でさえ現浪含めて9名しか岡大医学科に合格できていません。お向かいのライバル高松(国医34名)と比べても岡山朝日の国公立医学科合格者16名は寂しいですね。東大重視なのが一因かもしれませんが、4年前の31名から(岡白も3年前の47名の半分以下)ほぼ半減している現実に危機感を持つべきだと思います。