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岡山大医学科配点変更の影響は?

Aug. 04, 2021 大学合格戦略

突如岡山大医学科が発表した配点変更の影響について巷で議論が盛り上がっているようですが、大学受験ストラテジストとして他の旧六医大、中四国の医学科と比べての考察を述べてみます。今年度から下記の配点に変更される予定です。

1次共通テスト:
2021年:英200・数200・理200・国200・社100=計900点
2022年:英100・数100・理100・国100・社100=計500点
2次個別試験:
2021年:英400・数400・理400=計1200点
2022年:英400・数400・理300=計1100点

まず、新しい配点のユニークな点を挙げると、
★1次共テの圧縮比率が均等でない
同じ旧六医大の千葉医、金沢医、長崎医のように均等に1/2圧縮して1次450点に下げればシンプルなのに、今回岡山医は社会だけ100点で据え置いた。社会の配点を上げる意図は何だろうか?(同様に熊本医の共テ数学50点圧縮も意味不明?)
★2次で理科だけ配点を100点下げた
2次重視型の医学科の大半は英・数・理の均等配点で、理科少なめは岡山医だけで珍しい。他の理系学部との共通問題で医学科合格者は9割以上取ってくるので「差がつかないのでまあいいか」という判断か?

今回の配点変更により予想される受験生への影響は次の通り、
★共テ合格ボーダーは下がり、2次ランクは上がる
今春2次配点を70%まで上げた金沢医は共テ合格ボーダーが4%近く下がったが「2次力に自信のある」全国の強豪が集まり大激戦となった。岡山医も志願者の2次力が上がり、最後まで合格が読めない展開になる模様。
★広島医との志願者争いの激化
中四国トップを争う広島医とは去年までは「センター高得点なら岡山医で逃げ切り、2次勝負狙うなら広島医」と受験生が分かれていたが、今年度からは「英語・数学強者は岡山医」「理科得意なら広島医のA配点(理科1200点)」と分かれてきそう。但し、広島大の2次問題が神戸大と似た「標準・短時間型」なのに対し、岡山大の2次は時間も十分の「標準型」なので問題との相性は確認要。
★異なる共テ英語戦略
英語のリーディング:リスニング配点が岡大4:1に対して広大はリスニング重視の1:1、しかも、広島大は英検準1級合格で「共通テスト英語みなし満点」制度ありなので、広学、ND清心、広大附属など広大医歯薬学科に多くの合格者を送り込むトップ校は「高3の1学期までに英検準1級合格」で攻めてくる。難化したリスニングで得点が伸び悩む共テ英語受験者と「英検準1級持ち」受験者とでは40点近く差がつくようなので「英検準1級無し」で広島医を受ける場合は不利になるかもしれない。
★上位医学科から下げやすくなる
今春も東海、滝、洛南、甲陽学院、久留米大附設、ラ・サールと名大、阪大、九大などの旧帝大を目指す私立中高一貫校から岡山医に合格してきた。2次重視の配点となり旧帝医学科から下げやすくなったので、県内生の岡医合格が今まで以上に厳しくなるかもしれない。

★2次試験の傾向変化にも要注意
中四国の医学科では、高知医が英語・数学で医学科専用問題、香川医が数学で医学科専用問題、徳島医も数学で医歯薬専用問題を設け、やや難問で医学科受験生を選抜している。岡山大では2次が理系全学部共通問題で医学科は今でも8割半ば近くの高得点が要される。標準レベルといってもUpsideが限られてくるため、新潟医が2次重視にした年、数学を難しくしたのと同様に2次試験を難化させてくる可能性もある(岡大2次数学でも毎年出題されていた確率が今春は出なかった模様)

国公立医学科合格が難しいのは「上位層が集中し、少しの差で合否が分かれる」ミスの許容度が低い相対評価だからです。当塾では全国模試で塾生の合格可能性をフォローしますが、総志望者順位しか見ていません(共テ自己採点次第で第1志望者順位は変わるので)。判定は模試によって違うし、各医学科によって得点分布もかなり異なります。生徒さん一人ひとりに最適な戦略を模索し、高3生全員の現役合格を目指します!