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国公立医学科に強い学校は地方にも多い!?

Nov. 06, 2021 大学合格戦略

理系最難関の医学科に入るためには、高校受験がなく6年間で伸ばしてくれる中高一貫校が有利だと言われるが、灘や開成など超難関でなくても医学科に合格する生徒を多数輩出する学校は地方にもある。大学通信が21年度の中学入学偏差値50未満の中高一貫校を対象に卒業生に占める国公立大学医学科の現役合格率を算出し受験業界で「バリュー校」と呼ばれる学校をランキングした。

1.青雲(長崎)13.1%(偏差値43)
2.昭和薬大附(沖縄)11.9%(同49)
3.徳島文理(徳島)9.0%(同39)
4.海陽中教(愛知)8.4%(同49)
5.明治学園(福岡)7.6%(同44)

バリュー校の国公立大学現役合格率のトップ3は三大都市圏外の学校。
1位の青雲中高は学生寮も併設されており伝統的に医学科進学者が多い。21年は30名ある地元長崎大医学科の地域枠推薦もフルに利用し卒業生214名中28名が現役合格した。浪人も含めた合格者は50名に達し、久留米大附設、鹿児島ラ・サールと共に九州私立御三家と呼ばれる。
2位は昭和薬大附属中高、大学の所在地は東京都だが、附属中学・高校は沖縄県にある。21年の卒業生193名中23名が琉球大医学科地域枠を中心に現役で国公立医学科に合格した。
3位は徳島文理中高。21年の卒業生は122名と少ないが11名(プラス自治医大現役1名)の国公立医学科現役合格者を出した。同校は5位に入った北九州の明治学園や防衛医大合格者が久留米大附設に次ぐ全国2位(15名)だった智弁和歌山と同様に小・中・高12年間の一貫教育を行っている。

徳島文理の中高一貫カリキュラムは週6日授業で先取り学習し、実力テストの平均で毎年上位から能力別にクラス替えを行う。今春岡山県から1名(大安寺の京都医)のみの合格だった旧帝医の大阪医・九州医、及び旧六の岡山医・金沢医、新八の広島医に現役合格者を出したが全員最上位クラスだった。地方は都会のように偏差値が学校毎に輪切りされていないので一定数の上位層が存在する。

今春現役合格者11名で同数だった広大福山と難関国立医学科の現役合格者のみで比べてみると、
広大福山:東大理3、大阪医、九州医、岡山医各1名(防医0名)
徳島文理:大阪医、九州医、岡山医、金沢医、広島医各1名(防医4名)
徳島文理も昨年東大理3に現役合格者を出しているので最上位層は広福と遜色ないだろう。ゆえに中学偏差値39の最低ラインで合格した人が国立医学科に合格できるとは思わない方がよい。全科目先取りの進度についていけるのは上位2割程度だからだ。

医学科志向が高い事情として徳島文理は徳島大医歯薬学部関係の子弟が多い。中四国では鳥取大医学部のお膝元、米子東は生命科学コース、島根大医学部に近い県立出雲は理数科、山口大医学部のある宇部市の私立慶進高校は中高6年制医学部進学プログラムなど、国立医学部関係者のニーズに応える進学コースを公立・私立中高問わず設けている。

他県では、各医学科平均15名前後採る地域枠推薦もフル活用し、地元進学校の特進コースで県内生合格作戦を展開している。世界へ挑戦する岡大医学科は国際バカロレア枠(5名)を新設する一方、県内生地域枠は4名まで減員して中四国の医学科では最も少なくなった(地域枠を18名採る広島医は地元占有率5割半ば)。これも志望を落としてくる旧帝医レベル、他県の最上位層の流入と共に地元占有率が低い一因だと考えられる。