共通テスト平均点急落が志望動向へ影響か?
今年の国公立大学の志願者数は受験人口の減少に加え、平均点の大幅下落により3年連続の減少が見込まれる。自己採点時の国公立大学志望指数(前年を100)は、旧7帝大、一橋、神戸、東工大を加えた難関国立10大学が95、千葉大や横浜国立大、岡山大など準難関大が92、それ以外が97と共テ本番前より下がった「志願者減は共テ平均点ダウンの影響が大きく、特に準難関大で顕著」ベネッセ教育情報センターは話す。
大学入試改革2年目のジンクスで、大方の予備校の予想通り第2回共通テストの平均点は下がった。中でも数学IAの平均点は前身のセンター試験も含め過去最低の38点に、数IIBと合わせて去年より37点も下落した。駿台教育研究所は「平均点の下がり幅は予想をはるかに超えた。特に数学が大幅に下がったのが大きい。理系にとっては問題文が長く読解力が求められる出題だったこと、文系は難易度の高さがネックとなり厳しい結果となった」と指摘する。
共通テストの難化はトップ層にも影響しており「例年なら旧帝大クラスを目指す5教科7科目の得点率が8割以上の受験生は前年の3分の1強しかおらず、7割台の受験生も減少したことから、難関国立大や医学部でも合格ボーダーが大幅に下がっている」河合塾教育情報部は分析する。
模試の段階で強気だった難関国立10大学の前期志望者は、平均点ダウンを受けて減少。現時点で東大など3大学以外は前年を下回る「東大なら理1より合格最低点が低い理2や前年に志願者が減った文1の志願者が増えそうだ。京大では共テ数学がカウントされない総合人間や工学部の志願者が増えるだろう」と駿台は見る。数学のウエートが低い学部を選ぶ傾向も強く一橋大・社会で志願者が増加、2次試験の成績だけで合否が決まる東工大や旧帝の文系学部で偏差値が最も低い大阪大・外国語も志望者が増えている。
平均点ダウンは学部の志望動向にも影を落とす。本番前に多くの志望者を集めていた情報系は偏差値が上がったことから敬遠され、医学科も志望者が減少気味だ。河合塾は「医学科志望者は大きくは減っていないが、歯学科や薬学科に志望変更する受験生が見られる」と指摘する。
塾生も例外なく共通テスト難化の影響を受けるが置かれた状況は誰も同じだ。たとえ得点が模試より低くても全国順位は思ったより高い。2次重視の難関大では平均点ダウンで2次試験の重要度が上がるので勝負は最後まで諦めない頑張りで決まる。少人数制を活かし志望医学科別に分けた個別対策で最終決戦に挑んでいる!