2022国公立医学科への合格力(岡山編)
今春岡山県内の高校で国公立大学医学科合格者を5名以上出せたのは岡山朝日29名(現役17名)、岡山白陵26名(現役7名)、大安寺中教13名(現役12名)、津山6名(現役4名)、岡山中高6名(現役2名?)の5校だった。岡山芳泉が旧帝の名古屋医、旧六の新潟医などに計4名合格、倉敷青陵も岡山医2名を含む4名合格させて古豪復活の兆しだが、全県学区の岡山城東は合格者ゼロと不振が続いている。
公立中高一貫校では同じ併設型の津山・倉敷天城がそれぞれ2名現役で岡山医に合格させたのにも係らず岡山操山からは合格者ゼロ、国医合格者合計も昨年の9名から3名(現役2名)まで減少した。中学入学偏差値が県内トップとも言われる操山高の出口での不振(東大も1名)は心配だ。大安寺中教は13名の内12名現役合格(岡山医5名)と素晴らしかったが、浪人は1名しか復活できず合計では前年比3名減らした。例年より私立医大の合格者が多かったことから察すると国立医学科に現役で受かる層と浪人しても届かない層の差が大きいようだ。
朝日高の躍進は戦後最多の合格者24名を出した東大に留まらず、国公立医学科合格者も昨年の16名(現役9名)から29名(現役17名)へ増加した。塾生(愛媛医現役合格)からも今年の朝日は理系の上位層が東大よりも医学科志向だと聞いていたが、京都医1名、大阪医3名と旧帝医学科に数年ぶりに合格した上、東大理1にも6名現役合格した上位層の厚さは驚異的だ「共通テストは難化したが、冷静に普段から培ってきた2次力を活かして挑戦したことが合格者の増加につながった」と進路指導部は話していた。近年中四国の医学科限定の受験だったが、今年は旭川医大から琉球大まで合格させ全国に出願範囲を広げる戦略も合格者増加に寄与したようだ。
岡山白陵以外の私立校では昨年5名の国公立医学科合格者を出した就実HGが1名と低迷、明誠学院特進3類は3名、岡山学芸館(清秀含む)が2名、金光学園、清心女子、岡山龍谷が1名ずつだった。東進全統高テストの優秀者リストに度々載っていた学芸館・医進サイエンスの女子さんは岡山県から久しぶりに関西の有力校が集まる神戸医に現役合格していた。
岡山県全体では、朝日の前年比13名増加が寄与し、操山・就実・大安寺中教の前年比13名減をカバーした。井原(岡山医)、玉島(島根医)とこれまで国立医学科合格者が出ていなかった高校からも浪人生が合格していた。岡山県の共通テスト志願者約7700名中、国公立医学科(防衛医を除く)に合格できたのは約105名(センター時代は120名超)、現浪合わせた医学科合格割合は約1.4%。10名以上の現役合格者を出せたのは朝日・大安寺の2校のみで、今年の現役合格者は50名前後だったと推定される。