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中四国の国立医学科の予備校別合格者数

Aug. 06, 2022 大学合格戦略

先日愛媛大医学科の推薦一般枠に首席合格した岡山朝日卒の男子君が近況報告に立ち寄ってくれた。医学部水泳部で西医体(残念ながら今年の主催校の浜松医大が中止を決定)を目指して充実した医学生ライフを送っているようだ♪「九州の久留米大附設や大阪星光学院、東京の麻布・学芸大附属など全国の有名校から浪人して愛媛医に来ています」とのこと。今春は現役生が優勢で合格者数を減らした駿台・河合塾が合格実績を出し渋っていたが、ようやく発表してくれたので中四国の医学科の予備校別合格者数をまとめてみた。

岡山医:(昨年度実績)
河合14名(15名)<駿台21名(21名)>高よび17名(28名)
広島医:
河合48名(37名)>駿台36名(30名)>高よび3名(5名)
鳥取医:
河合34名(23名)>駿台11名(18名)>高よび4名(6名)
島根医:
河合17名(27名)=駿台17名(14名)>高よび3名(2名)
香川医:
河合21名(18名)>駿台16名(18名)>高よび13名(16名)
徳島医:
河合26名(27名)>駿台19名(23名)>高よび5名(4名)
高知医:
河合30名(30名)>駿台14名(23名)>高よび13名(16名)
愛媛医:
河合32名(38名)>駿台23名(14名)>高よび17名(12名)
山口医:
河合20名(31名)>駿台13名(13名)>高よび1名(1名)
★中四国9国立医学科合計:
河合242名(246名)>駿台170名(174名)>高よび75名(90名)

昨年に続き現役対象のグリーンコース、映像授業のマナビスもある河合塾の圧勝だった。中四国の国立医学科に強いと言われてきた高よびだが、近年山陰の鳥取医・島根医、四国の徳島医は合格者数が5名以下に留まる。お膝元の香川医でも共通テスト導入後から減少に転じた。昨年は愛媛医で唯一2大予備校を上回ったが、合計で今年も前年比15名減らした。稼ぎ頭だった愛媛医の地域枠推薦が20名から5名に減員されると来年の合格者増も厳しくなるだろう。大手も河合塾・駿台共に前年比4名減と何とか耐えているが、全国的に現役優勢のトレンドがうかがえる。

今春3月に廃止された河合塾福山校は現浪合わせて14名の国公立医学科合格者を最後に送り出していた。広大福山の上位生御用達だった現役グリーンコースからは大阪医1名、岡山医1名など4名。予備校からは岡山芳泉卒の浪人を旧六の新潟医へ合格させるなど一定の成果を上げていただけに撤退を惜しむ声もあるだろう。

高よびの今年の中四国の国立医学科合格者75名中、共通テストのみで決まる地域枠を中心とする推薦合格が約40名と、推薦合格者が一般合格者を上回った。センター試験とは異なり、従来の表層的な対策が効かなくなった思考力重視の共通テストに変わったのも合格実績を落としている原因の一つだろう。九州の国立医学科に強い北よびに至ってはセンター時代は300名に迫る合格者を出していたが、今春は重複合格で水増しできる防衛医・自治医・産業医を合わせても216名と激減し、真水の国立医学科合格者数は200名を切った模様。前年比合格者Up↑の派手な広告が出せなくなっている。

浪人したら「9年間の卒後縛りがある地域枠もOK」であるのなら、後期の定員が年々削減される中、数少ない受験機会を逃さないためにも現役時から国公立医学科の定員の1/4を占める総合型・学校型推薦なども視野に入れるべきだと考えるが「難関医学科にチャレンジしたい」と浪人覚悟で勝負する人も多い。一方、近い将来、医師過剰になるのは確実で「医学科定員を段階的に削減していく」方針が医師需給分科会で確認された。国の政策で増員された医学部医学科の2021年迄の期限付き定員約740名分はコロナ禍での医療逼迫で延長されてきたが、いつ何時打ち切られてもおかしくない状況だ。あまり大学名にこだわらず合格可能性を上げることを優先すべきでないだろうか?現役合格していった生徒たちの壮絶な戦いに寄り添ってきたリアルな体験から思うところである。