Super English
大学入学共通テスト対策塾

News & Blog お知らせ・ブログ

医学部医学科入試の最新動向

Jun. 01, 2022 大学合格戦略

コロナ禍で医療関係者がより重い負担を背負わされる中、医学部医学科の人気動向には影響が出ているのだろうか?「コロナ禍で医師は大変な仕事という印象が高まっているが、一方で経済が不安定になると資格系の志望者が増え、医療系学部は資格に直結するので底堅い人気がある」と河合塾教育情報部は話す。

医学部の志願者数は18歳人口の減少を背景として、ここ10年ほど減少傾向にある。国公立医学科は2014年の約2万人をピークに、21年は約1万5千人へと約4分の1減少した。受験期に新型コロナ緊急事態宣言が直撃した21年は受験生が出願校数を絞り込む動きが目立ち私立医大でも18年の約11万人から21年には約9万人まで減らした。22年度入試では国公立医学科の志願者数は前年比微増、但し、この3年間で最高の数となり、その人気は落ちていないようだ。

過去3年間の倍率はどうだったかというと、いずれも前期日程で20年が4倍、21年が3.9倍、22年も4倍程度だった「大学志願者数が減少していく中で、前年横ばいを保っているということは医学科人気が衰えていないことの表れと言えるだろう」と河合塾は分析する。

個別の大学を見ると国公立大でも倍率が変動したところが目立つ「医学科に合格できれば全国どこでも行くという受験者層も一定数いて、前年の入試結果を基に少しでも入り易い大学を狙う。そのため多くの大学で毎年志願者数の増減が大きい傾向がみられる」と河合塾は指摘する。

22年度入試で志願者数の増減が著しかった大学を見ると、志願者数が前年比150%と大幅増加となり足切りがあった岡山医、従来1次の共テが900点、2次が1200点だったが、22年度から1次500点、2次1100点と2次記述重視の配点に変更した。共通テストが難化し、思うように得点できなかった受験生が2次試験で逆転を狙うケースが多かったようだ。

同様に共テ難化の影響が見られたのが、志願者数が前年比43%(1.7倍)と半減した名古屋医だ。今年から共通テストが700点以上なければ2次試験を受けられない2段階選抜を導入した。そのため共通テストで得点できなかった多くの志望者が出願を回避した。同様に共テ得点で足切りを行う大阪公立大も前年比68%(1.9倍)と受験生から敬遠された。

以前より医学科に合格しやすい時代になったか?との問いについては、6年間の平均学費だけで3000万円を超え、家庭の経済力が大前提となる私立医大についてはYes、国公立大についてはNoだろう。学費が安く資格社会の日本において最強の資格が得られる国公立医学科は理系上位の受験生に昔も今も根強い人気がある。入試改革の最前線で生徒達に寄り添ってきたが、N会・O塾の特待生でラ・サール・愛光などW合格の子でも小学生の頃から積み上げてきた学力、そして入試本番での運まで全てを出し切って国立・官立医学科に必死の追い込みで現役合格していった。最後の最後までどうなるかわからない壮絶な戦いだった。