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国立医学科は現役生優勢のトレンドへ!?

Aug. 01, 2022 大学合格戦略

共通テスト2年目の今年は西日本の国立医学科に強いと言われる北よび、高よびさんの合格実績の低迷が顕著になったことから「共通テスト導入後は現役生が優勢になってきている」と感じていたが、或る大手塾が過去4年間の広島大医学科の合格データを基にその仮説を実証してくれていたので紹介する。

広島大医学科の現役生と既卒生の合格者数は隔年で入れ替わっており、22年度は既卒生が強い年だったはずだったが、現役合格者がダブルスコアで勝った。2:1の現役優勢は従来見られなかった現象だ。これまで世代最強だった1浪生の合格率も現役生に10%近く差をつけられ過去4年間で最低を記録、それ以上に2浪以上の多浪生の不振が目立った。それらの要因として挙げられるのは、

★従来の受験対策が通用しなくなってきている
知識の詰め込みに時間をかけられる既卒生はインプット量においては有利だった。が、知識の活用に重点をおいた入試に変わり表層的な暗記や傾向分析に特化した予備校の限界が出てきた。基礎の理解をベースとする網羅的な学習が要されるようになり、現役生のハンデが減っている。
★単に時間をかけるだけでは合格できなくなっている
22年度はこれまで最強を誇った1浪生も合格率が半減し、3浪以上はわずか3名しか合格できていなかった。対して現役生の合格率は変わらず入試の変化に対応できていた。浪人することで合格可能性が高まる相関性は従来よりはなくなっている。
★現役生と既卒生の勉強時間の差が縮まっている
コロナ禍で部活や学校行事が制限された現役生と既卒生との勉強時間の差が従来より縮まり、既卒生の強みである勉強時間の多さだけでは得点差が出なくなった。また2浪以上の多浪生はセンター時代の出題に慣れ過ぎていたことが新傾向の共通テストに変わり裏目に出た結果となった。
★難関大学ほど現役生が強い傾向
全国の国公立医学科で現役合格者占有率がトップで8割を超える東大理3をはじめ、難関医学科ほど現役合格率が高い傾向がある。地頭勝負となった共通テストでは、浪人しなくても勝ち抜ける各学年のトップ現役生がさらに優勢となっている。

22年度入試では現役生が既卒生に対して、合格者数・合格率で上回った国公立医学科が岡山大医学科も含め全国的に多かった。現役優勢の兆候はセンター試験終盤から起こっており、21年度の共通テスト導入後に更に加速している。10年ぶりに4倍で2段階選抜を発動した岡山大医学科は足切り倍率を3倍まで下げると発表した。2次配点Upに伴い全国から2次記述力に自信を持つ受験生が集まるが、共テで門前払いされる人が毎年出る激戦が続くことが予想される。