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今年も理系の資格系学部の人気が高まっている

Nov. 16, 2022 大学合格戦略

コロナ禍やインフレにより経済の先行きが見えない中、資格の取れる学部は人気が続く。しかし医学部医学科と薬学部の志望者が増える一方、歯学部や保健衛生系は減少と二極化している。東進は医学科と薬学部が人気の理由を「コロナ禍で医師の活躍、新型ワクチンの開発など医療現場が注目される中、受験生の医療に対する関心が高まっていることが大きい。不況下にあって国家資格を取得することで手に職をつけたいと考える人も増えている」と解説する。

大学入学共通テストが始まった21年度入試ごろから志願者が戻ってきた医学科、08年のリーマンショックを機に起きた不況と11年の東日本大震災により、医学への関心が高まった時期も人気があったが、コロナ禍とインフレで不安定な経済状況の現在、当時と重なる社会情勢を背景として医学部人気が高まっている。

当時の医学部人気に一役買ったのは地域による医師不足や診療科による医師の偏在からそれまで抑制されていた医学科の定員増が始まり、地域枠推薦を中心に間口が広がったこともあった。河合塾教育情報部は「08年から始まった医学科の臨時定員増は20年以降延長され今年度入試でもおおむね継続されます。07年に比べ1500人近く増えている定員が維持される環境も医学科人気が高まっている要因です」と分析する。

各大学の前期募集の志望状況を見ると広島医は第1段階選抜の倍率を7倍から5倍に引き締めたにも係わらず志望者は増加(岡山医も4倍から3倍へ引き締め)、22年度は2次試験に進める共通テスト基準点が700点と厳しく受験生に回避されたことから、志願倍率1.7倍まで半減した名古屋医は基準点を600点に下げたこともあり大幅に増えている。後期募集においても「岐阜医の後期廃止に伴い、周辺県に在る福井医・三重医・浜松医大などで後期の志望者が増えている」と駿台進学情報部は指摘する。

医学科と共に志願者増が見込まれる国公立薬学部については、西日本トップの京都薬が昨年比2割増し、続く難関の大阪薬も大きく増えるなど、特に資格志向が高い西日本の難関大で志望者増が見込まれている。東日本では東北薬や首都圏唯一の国立薬学部(東大薬は進学振り分け後進学)である千葉薬の志望者増が顕著だ。

医師・薬剤師といった難関医療系資格が取得できる学部学科の人気が高まる一方、歯学部の志望者は国公立・私立大ともに減少。歯科医師過剰が言われる中、資格を取得しても将来が約束されにくくなっていることが背景にあるようだ。保健衛生系も志望者が減少している「看護や理学療法などを含む保健衛生系の志望者が伸びないのは、コロナ禍にあってリハビリテーションや介護などの現場で対面の仕事がしにくくなっている影響が少なからずある」とベネッセ教育情報センターは指摘する。