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九州の国立医学科の共テ合格ボーダー速報

Jan. 17, 2023 大学合格戦略

山口県は地域的には中四国だが北九州市と関門海峡で結ばれており九州の経済圏に属する。山口大学医学科も新山口駅前に校舎を構える北予備が断然強く、中四国全域から浪人生を集める高予備でも合格者は毎年1名いるかどうかだ。九州の強豪校に攻め込まれ、県内トップの山口高・徳山高の理数科でも地域枠推薦以外で合格するのが困難になっている。北予備さんが大手予備校最速で九州の8つの国立医学科プラス山口医の50%合格可能性共テ合格ボーダーを発表したので昨年と比べてみた。

北予備が発表したボーダー共テ得点率を比較すると、数学の平均点Upが大きく昨年からかなり戻していた。王者九州医(ボーダー780点)に旧六医大の長崎医(740点)・熊本医(720点)が続き、琉球医(690点)が最下位という順当なランクとなった
九州医:86.6%↑(78.8%)
長崎医:82.2%↑(75.5%)
熊本医:80.0%↑(76.2%)
佐賀医:79.3%↑(73.0%)
鹿児島医:77.7%↑(74.4%)
大分医:77.7%↑(74.4%)
宮崎医:77.2%↑(74.4%)
山口医:76.6%↑(75.0%)
琉球医:76.6%↑(74.4%)

前年と比較すると九州医の8%Upなど上位医学科になるほど上昇率が高く、医学科志望者内でも最上位層と上位層との格差が拡がり、まさに「普通にできる人」と「すごくできる人」を更に選別する共通テストの特性を示している。理系の人は総じて数学はできていて理科で差がついた感覚だ。詳しく見ると先取り学習して高2で理科を終える私立中高一貫校が強い医学科の伸びが大きい。この差は県立熊本高校が強い熊本医と青雲中高が強い長崎医のライバル旧六医大の逆転現象に現れている。

佐賀医(昨年附設9名合格)の上昇は異常値のように見えるが、通学圏にある国医現役合格力全国トップの久留米大附設高が受けてくる。医学科の難易度はその年の受験者層で決まる要素が大きい。九州医(附設24名合格)に浪人覚悟で特攻していく男子を横目に、女子生徒は手堅く現役合格を取りにくるので前述の山口医(附設5名合格)と同様、地元公立トップの佐賀西(7名合格)などから地域枠推薦以外では受からなくなっている。全員内部進学のK医大附属高校とは違い、久留米大医学科への推薦枠も不要な九州No.1進学校の中でも現役合格最優先で確実性を追い求める附設女子は本当に強い(附設女子の21年度国医現役合格率35%は驚異的!)。

北予備の得点度数分布を易化・難化した科目を中心に見てみると、
(受験者数約3.5万人中、北予備は医歯薬系志望の理系メイン)
900点中820点以上:17人→97人
数学IAで90点以上:43人→552人
数学IIBで90点以上:92人→1097人
化学で95点以上:85人→75人
生物で95点以上:6人→0人
物理で95点以上: 420人→898人
世界史Bで95点以上:332人→92人
日本史Bで95点以上:23人→59人
倫理政経で95点以上:43人→3人
英語で190点以上:479人→263人
医歯薬系志望の理系メインの北予備のデータから言えるのは、
★文系でも取れていた数学は理系ではあまり差がついていない
★化学は皆できてなかったので物理と生物選択で昨年以上に差がついた
(但し、物理選択の中でも90点以上の層とそれ以下では差がついていた)
★英語はRで上位層が減っており昨年以上に中間層との差がついた

まとめると、医学部医学科の志望者間では、物理選択が生物選択より圧倒的に有利、数学で失敗したら致命的、重たい地歴から公民(倫政)に逃げた人は逆効果、配点の高い英語・国語で取れた人が差をつける展開になった。平均点が上昇傾向の英語リーディングは予想通りの難化、社会チームが平均点が高かった世界史・倫理政経を難化し、日本史Bを易化して調整してきたのに対し、理科チームは連携が取れてないのか?物理・生物の差が20点以上に拡がったのでほぼ確実に得点調整があるだろう。

志望者の得点分布グラフや選択科目の度数分布も読めない文系教師の進路指導で大丈夫なの?と思うが、岡山の高校は公立も私立も挑戦させるのがデフォルトのようだが、他県と比べると浪人率が格段に高い。浪人してもさほど有利にならなくなった地頭重視の共通テストに変わってからチャレンジ精神が裏目に出ているのでは?と感じたりする。受験は自己責任なので挑戦させて失敗しても学校側の責任は問われない。しかしながら、学校もみんな挑戦だと生徒は冷静な判断ができないだろうから、敢えて現実的な客観データを提供するのも受験塾の使命だと考えている。塾生もみんな地元の難関医学科が第1希望だったが、現役で納得できる医学科に進学できて幸せそうな医学生生活を送っているようだ。