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河合塾が最新の難易予想ランキングを発表

Jun. 04, 2023 大学合格戦略

23年1月の共通テスト本番結果と5月に実施された全統第1回共通テスト模試&記述模試の結果を基に、河合塾が新学年度最初の各大学の50%合格可能性共テ得点率(2次偏差値)を発表した。当塾で志望する人が多い中四国の9つの国立医学科で、新高3生が受験した模試の最新予想ボーダ偏差値と1月の共通テスト得点調整後を比較してみると(河合塾のボーダーライン偏差値は1刻みで表すほど精密に測れないとして2.5刻みにしている)

岡山医:83%(2次偏差値67.5)=83%(同67.5)
広島医:82%↓(65)<83%(65)
徳島医:81%(62.5)=81%(62.5)
山口医:80%(62.5)=80%(65)
愛媛医:80%(65)=80%(65)
香川医:80%(62.5)=80%(62.5)
鳥取医:80%↑(62.5)>79%(62.5)
高知医:80%↑(62.5)>79%(62.5)
島根医:78%↓(65)<79%(65)

高得点勝負だったセンター試験から変わった大学入学共通テストも4年目に入ったが、理系最難関の国公立医学科ボーダーで3年間さほど得点力は上がっていない「パターン対策が効かない、努力が点数で返ってきにくい」思考力重視の共通テストの特性が表れている。当塾では過去問がない未知の入試に挑んだ第1期生から速読力・リスニング力が勝負の共通テスト英語に挑戦し続けている。

昨年度から2次配点を約7割に上げた岡山医が中四国トップを争うライバル広島医を1ランク(河合塾偏差値は2.5刻み)上回った。偏差値を上げる目的もあって2次重視に配点変更を行ったと噂されるが、全国から2次記述力に自信のある受験生が集まり旧帝大の名古屋医・九州医と並ぶ偏差値67.5まで上げて目標を達成している。四国の医学科では前期共テ配点が69%と全国一高い徳島医が81%ボーダーで頭一つ抜け出していた。

前期で医学科最高の共テ得点率は東大理3の91%で唯一9割を超えた。センター時代ボーダートップだった東京医科歯科大後期は96%要されたが、共テ100%配点で現在共テボーダー全国トップの名古屋医後期でも92%で、やはり共通テストに変わってから得点力が落ちている。西日本では京都医89%、大阪医88%の旧帝2トップに神戸医が87%で迫っている。地元神戸の甲陽学院など関西の最上位校が志望するので受験者層のレベルの高さが難易度を押し上げているのだろう。センター試験とは違い共通テストで9割取るのは誰にとっても困難だ。

進学振り分けで理1からも東大医学部に行けるので医学部ランキングに含めているのかもしれないが、理1は東京医科歯科大前期、阪大医学科と同じ88%だった。AIなど情報系バブルで最近理1の難易度は上がってきている。筑波大駒場や灘高などで理3に受かるトップ層でもやりたいことがあって理1に行く人がおり「攻めの理1」と言われるらしい。

東日本の最低は弘前医だったが、今回は福島県医(地域枠は76%と全国最低)・秋田医が77%と最下位だった。西日本でも琉球医(79%)に代わって富山医・島根医が78%で最低だった。今春の志願倍率が10倍を超えた福島県医・島根医及び倍率が前年比倍増した富山医は多くの出願者が足切りに遭ったのを見て敬遠されたのか?医学科特有の隔年現象がみられる。秋田医は2次偏差値も全国最低の60に下がった。2次が理科なしの英数のみで県内や東北出身者が優遇されそうな面接配点が高いのが原因かもしれない。

高い難易度帯に多くの大学がひしめく(合否レベルの差がない)のが医学科入試の特徴だ。故に選抜方式によっても異なる共通テストの傾斜配点に加え、2次試験も実際に解いてみて単科医大の難問低得点型、他学部との共通問題が多い地方国立大学医学科の易問高得点型、いずれのタイプの問題と相性がいいのかなど、多種多様な各医学科の入試の傾向に合わせて最大限の力を出せる出願戦略で合格可能性を高めることが必要だと考える。