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国公立医学科合格には早めの共通テスト対策を!

Sep. 30, 2023 大学合格戦略

地方国立医学科では共通テストの重要度が高い。中四国の9大学でも、徳島医の69%を筆頭に、山口医・島根医が60%、鳥取医が56%、香川医が50%と共通テストが全配点が5割以上の大学が過半数の5大学を占める。徳島医の共テ比率は前期で最も高かったが、今年度から共テ900点+小論文100点となる奈良医大前期が全国最高の共テ比率となる。180分で英・数・理科1科目を優先割り当てするトリアージ入試は医師として必要な判断力を見る試験として名物だったが前期では廃止となる(推薦入試では継続予定)。これまで共テ高得点で逃げ切るために徳島医まで来ていた関西圏の受験生が共テ比率9割の奈良医大に流れるかもしれない。

地方国立大では英語・数学など一部の科目で医学科専用問題を課す場合もあるが、理工・農学部との共通問題を出題する総合大学も多いため、1次マークで出遅れると医学科志望者間では2次で差を詰めることが難しくなる。次に共テ対策を早めに開始した方がいい理由を挙げると、

★共通テストで差がつきやすくなった
河合塾の共通テストボーダーの分布を見ると、前期だけでも東大理3の91%から弘前医・福島県医(地域枠)の77%まで14%(126点)もの幅で拡がっており、共通テストで高得点が取れれば逃げ切り易くなっている。センター試験では最低85%前後が医学科のボーダーだったものが、共通テストでは8割以下まで下がったので、共テで差をつけた人は受験校選定さえ間違わなければ全国どこかの医学科に受かる確率が高くなった。

★共通テストの点数で出願大学が変わる
理系の上位層が紙一重の得点差で争う国公立医学科入試では、共テ本番後の自己採点リサーチ判定で出願大学の決定に悩む(大半は合格確率を優先し志望ランクを落とす)人が多く、2次試験対策がギリギリになってしまう。共通テストで目標点を達成すれば、いち早く志望校が固まり過去問演習に移れるので有利になる。岡山医の3倍など2段階選抜の予告倍率を引き締めてきており、共テで失敗すると足切りに遭うリスクも高くなる。

★国公立大学の後期は共通テストでほぼ決まる
共通テスト比率が100%の名古屋医後期を始め、山形医(90%)、宮崎医(86%)、佐賀医(84%)、琉球医(77%)と多くの国公立医学科の後期は前期の2次試験でまさかの不合格となった共テ高得点者の救済策でしかない。2次比率が高い後期は奈良県医(75%)、山梨医(72%)、千葉医(69%)の3大学しかなく、京都医、東大理3、医科歯科大等の前期不合格組が復活を目指す。共テが取れていなければ後期復活は殆んど可能性がなくなる。

★苦手分野を潰していくのに時間がかかる
部活卒業後、現役生にとって夏休みが唯一まとまった時間がとれるチャンスなので、共通テスト模試もできるだけ受験し、自分の穴を探して潰していく作業に集中すべきだ。幸い共通テストはセンター試験より2次試験とのレベルが被る部分が多くなり連携が強まった分、効率的になったと言える。大学入試はフライングありの競争なのでスタートが早ければ早いほど有利となる。

★直前対策だけでは足りない
本番1ヶ月前から高校でのマラソン演習でも間に合ったセンター試験とは異なり、思考力重視の初見問題対応が要され対策が効きづらくなった共通テストを短期で仕上げることは難しい。特に分量が激増した英語は速読力及び情報処理スピードが要されるので、当塾では早期からのアウトプット演習を課して自分に最適な得点戦略プランを身体に染み込ませてもらっている。

国公立医学科合格には学力は元より環境も大事になる。家族が応援してくれる、友達に医学科受験生がいる、先生がサポートしてくれるなど学習環境に恵まれた都市部の有名中高一貫校の生徒は受かる確率が高い。当塾では講師が地方での情報格差を日夜埋めていく努力を怠らず、志高い生徒さんを集めて「もっと努力しようと思える環境」を提供している。京大薬学部に合格した朝日高生が「すごくできる人がいて、自分も頑張らねばと思った」と塾の特長を語ってくれていた。共通テストの出願も来月5日が締め切り、試験場で眼鏡をかける人は受験票でも眼鏡着用した写真を貼るなど細かい注意も必要だ。6教科30科目の出題は今年で最後となり、来年度からは情報Iも加わり7教科21科目に再編される。