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来年度からの情報Iの配点比率(中四国医学科編)

Jan. 27, 2024 大学合格戦略

現高2生が受験する2025年度の新課程入試では新科目「情報I」が追加される。時間枠は共通テスト2日目数学の後の最終科目となり、1日目の最後となる英語リスニングと同様にスタミナと集中力の勝負となるだろう。一部の大学を除いて配点比率が公開されたので、塾生で志望者が多い中四国の国立医学部医学科の情報Iが共通テストに占める割合及び2次を含めた全配点に占める割合を高い順に挙げると、

愛媛医:10%(全体割合4.2%)
広島医:10%(全体割合3.6%)
岡山医:9.1%(3%)
山口医:5.3%(3.2%)
高知医:5.3%(2.6%)
島根医:4.1%(2.5%)
鳥取医:2.2%(1.2%)
徳島医:0%
香川医:0%

「情報Iの受験を課すが、当初2年間は点数化しない」方針を示した北海道大学に続き、徳島大は「初年度は総合判定の参考に留め、点数化は行わない」とし、香川大も「共通テストと個別試験の総合点が同点の場合には情報Iの得点を活用する(実質ゼロ配点)」としている。約98%の国立大学が国立大学協会が打ち合わせた「情報Iを含む6教科8科目を課す」方針に準じているの対し、一部の大学だけが抜け駆けのような例外適用をするのは受験生を混乱させるだけではないだろうか。

国公立大学は総じて情報Iを活用する方向だ。中四国の国立医学科9校で配点公表が最も遅かった愛媛医が全体配点比率4.2%でトップに踊り出たが、最難関の広島医(3.6%)、岡山医(3%)も情報Iの割合が高い。3%位なら無視できると思うかもしれないが、理系学部との共通問題、標準レベルの英語・数学・理科でみんなが得点してくる地方国立医学科受験者間では2次で差をつけられる点数があまり残っていない。一方、東京医科歯科大(共テ33%)など他学部に遠慮なく難問を出す単科医大だと記述が得意な人はたっぷり差をつけられるので情報I追加の影響は少ないだろう。

情報Iは既卒生にも課され免除などの経過措置はなく逃げることができない上、市販の参考書や問題集もまだ少ない。万一浪人してしまうと通常授業で備えてくる現役生と比べて不利となるので、最後の旧課程入試で医学科など難関大学を志望する人はできるだけ浪人回避の受験戦略を取る方が賢明だろう。特に医師資格を取るための職業訓練校である医学科では受かれば全国どこの大学でも行く覚悟の「どこでも受験生」が強い。最難関女子高の桜陰から共テ逃げ切りで徳島医、横浜のフェリス女学院から推薦で香川医まで降臨して来たように全国を股にかけた乱れ打ちの神経戦が始まる。ポーカーのごとく互いに手の内を明かさないので入試結果を見るまでどんな戦いだったのかわからない。

岡山の書店で高よびさんが「あきらめるな。勝負はこれからだ」とフェアをしていた。理事長が自画自賛する1700円の本を無料配布するという大判振る舞いだった。現役合格しろと言いつつ新年度の入学書類を配るのはパラドックスだと思うが、合格者が減り続ける予備校業界の焦りを感じる。来週までは出願者数の推移にも注目だ。高学力層がしのぎを削る医学科入試で倍率は重要で1人でも天才が紛れ込んだら1席減ることになる。英語検定試験でC1みなし満点を今年から導入する岡山大には特に影響が大きい医学科の出願状況発表では出願者数に加えて英語500点が確定したC1認定者数(岡大が認定)も公平性の観点から開示してくれることを願いたい。