2024岡山大医学科合格者速報(県内浪人生が減少)
中四国最難関の岡山大医学部医学科の高校別合格者ランキングが発表された。県内の高校では岡山朝日が14名で3年連続全国最多、大安寺中教が6名で初の2位、 岡山白陵が5名、就実HG・岡山操山が3名ずつで複数合格者を出せたのは5校、明誠特進3類、津山中高から現役1名ずつだった。全国の国公立・私立の有名進学校や英語外部試験C1取得者を出す英語が強い高校から攻め込まれ、県内からは現浪合わせてわずか7校から計33名と地元占有率3割をキープできなかった。
県外高校では広大福山9名、愛光6名、高松4名、丸亀3名、神戸大附中教などが3名以上、2名合格させたのは神戸女学院・済美平成などの中高一貫校や京大合格者数トップの府立北野、山陰トップの米子東など、1名合格は都立国立、新潟、岐阜、神戸、姫路西、徳山など各県の公立トップ、私立では東京の海城・芝など男子校、名古屋の南山女子部・広島のND清心など各地域のトップ女子校等全国の有名私立中高一貫校から合格してきた。22年度に2次比率が7割に上がってから旧帝大など都会の上位医学科志望者が落としてくるケースが目立っている。
二段階選抜を去年から岡山医は3倍まで引き締めた岡山医の志願倍率は3.1倍で足切りはなかったが、全国から上位層が集まり難関ぶりは変わらなかった。県内高校では東大13名全員現役合格と驚異的な数字を出した大安寺中教、理数科を持つ津山中高、特進コースがある就実・明誠学院を除き、倉敷青陵・天城が合格者ゼロに終わるなど各校対前年比で減らしていた。ここ数年間の現浪比率はほぼ半数ずつだったが今年は現役生が33名中20名以上合格していた。岡白・広福など有力校が軒並み既卒合格者を減らし、国立医学科合格者総数と同様に県内の浪人生が不振で2浪目に突入した人も多いのではないか。
岡大は全学部で今年から英検1級、TOEFLなど英語外部試験C1レベルで共テ+2次英語みなし満点制度を導入した。岡山県内で英検1級合格した高校生がほとんどいないので伝統校などはノーマークだったようだ。実際は医学部医学科で定員の半数近くの45名が押しかけ約1/3の16名が合格していた。英検1級取得した理系1ケタが志望変更した徳島文理(24年国医現役合格率12位)、英オックスフォード大に合格者を出した都立国際高校、シンガポールなど海外会場で入試を行う立命館宇治、英検1級取得者が多い広島のAICJ、公立初のインター校として開校した芦屋国際中教などの合格者は帰国生ではなかろうか。500点満点認定者との差を詰める目的か?岡山大は2次英語を易化させ、数学・物理は難化させてきた「1/3しか受からなかったのでC1みなし満点者の影響なし」というコメントには同意しかねる。定員の約17%も例年なら受験しなかった人達が合格してきたのだ。来年からC1英語満点者が15名以上は合格するとして、C1無しの人は定員80名での戦いを想定した方が現実的だ。但し、英語一点突破は難化した岡大数学・物理では難しい「理数科目が解ける人が英語500点満点で合格に近づいた」という解釈が妥当であろう。
マーク比率が4割以上あった21年度に28名合格させた高よびさんは例年岡山県枠を独占している地域枠が一次募集で合格ゼロだったが、前期で15名合格させたのは立派だ(東大や旧帝医学科は合格無し)。但し岡山の高校出身者は4名(朝日2名、大安寺・就実各1名)のみで、広島の基町、徳島の城東などの地域トップ校や高知県西端部の県立中村高校、松山東雲など実績のない高校から天才達が合格していた。合格確実な地元医学科を捨ててまで岡山医に挑戦してくる人達に対抗するには四国・山陰の国立医学科でA判定上位を取っておかねば及ばないだろう。岡山S学院から合格した朝日卒2名は昨年度朝日卒の塾生らが知らなかったので2浪以上だと思われる。岡山医は従来以上に最後までどうなるか読めないハイリスクな入試と化している。