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河合塾が入試難易予想ランキングを更新

Sep. 14, 2024 大学合格戦略

夏の天王山だった全統第2回共通テスト模試&記述模試のデータを基に河合塾が各大学の50%合格可能性ボーダー共テ得点率を更新した。中四国の9校の国立大医学科で、春の第1回模試と第2回模試の得点率及び2次偏差値を比較してみると

岡山医:85%(2次偏差値67.5)=85%(同67.5)
広島医:84%(65)=84%(65)
山口医:81%↓(62.5)<82%(62.5)
徳島医:81%(62.5)=81%(62.5)
香川医:81%(62.5)=81%(62.5)
愛媛医:81%(65)=81%(65)
鳥取医:80%↓(62.5)<81%(62.5)
高知医:80%↓(62.5)<81%(62.5)
島根医:80%(65)=80%(65)

中四国の2トップ、岡山医・広島医が他の7医学科を引き離しているが、理系最上位層が密集する国立医学科入試では受験校の選定が合格可能性に大きく影響する。よって上位医学科に浪人覚悟で特攻するか、下位医学科で確実に現役合格を取りにいくかの慎重な判断が必要だろう。特に岡山医では英語検定試験C1レベル(当塾からも英検1級で1名取得)で1次・2次英語500点満点となる制度が今年も続くので、昨年と同様に定員の2割程度はC1取得者が合格をさらっていく見込んだ方が無難だ。中四国では全統第1回模試でのボーダーが82%と頭一つ抜けていた山口医が1%ダウンして徳島医、香川医、愛媛医と81%で並び、鳥取医、高知医も1%ダウンで西日本最低ラインの島根医と80%で並んでいた。今年から情報Iが追加され6教科8科目と負担が増えた新共通テスト1000点満点でのスコアメイクに受験生は苦労しているようだ。

全国でみると、前期は東大理3の91%が不動のトップ、次に京都医が1%ダウンして89%、東京科学大医学科(旧東京医科歯科)も1%ダウンして大阪医と並ぶ88%だった。これら4医学科が国公立大学最難関だと言えよう。後期では東京科学大が93%と共テ最高ボーダーを維持した。全統第2回模試では2%上がった札幌医科、1%上がった旭川医、山形医、福島県立医など東日本の大学が総じて上がり、金沢医、福井医や立地が最悪で唯一79%と8割を切った富山医など、能登半島地震の影響もあるのか?北陸地方の医学科が軒並みダウンしていた。最低ラインは東日本が弘前医・群馬医の地域枠、西日本が鳥取医・高知医・大分医の地域枠で79%と地元生は受かり易くなっている。東大理3が独走し、前期ではボーダー90%と83%が空白地帯となり、上記の最難関4医学科とそれ以下の国公立医学科の難易度差が拡がっている。凄くできる層と普通にできる層をさらにふるい分ける思考力重視の共通テストの特性が現れていると言ってもいいだろう。

厚生労働省は8月末に医師偏在の是正に向けた主な対策案をまとめた。厚労省の推計では2029年には全体の医師数は少子化による人口減少により均衡し医師不足は解消の方向だが、都道府県又は診療科の偏りが大きく医師偏在是正が急がれる。なお医学科を目指す受験生への影響は次の通り、
・地域枠の臨時定員分は医師多数県から新潟や静岡などの医師少数県に振り向けられる。中四国の医師多数県(岡山・鳥取・香川・徳島・高知)の地域枠定員は草案通り2割減らされると合計10名以上の減員となる模様。
・医師の多数地域での開業規制など都道府県の権限強化
・公的保険が適用される診療に一定期間従事してないと医院を開業しても保険診療をできなくする保険医制度の改正
臨床初期研修直後に美容医療などの自由診療に参入する医師は年間数百名いると言われ、地域枠入学者の離脱増加も地方医学科で問題となっている。大手美容クリニックが保険医療機関で専門医も取得していない初期研修直後の経験不足の若手医師を大量採用しトラブルが多発していることに歯止めをかける「直美規制」案だ。日本医師会は保険医療機関の管理者となる条件に保険医療での実績を加えることを提言し、自由診療に流れた医師を保険診療に戻れなくする徹底策を打つ方向だ。

今年の受験生の安定志向を示すデータとして国立医学科では筑波医の学校推薦型入試(岡山大と同様に英語検定試験C1レベル以上を総合評価に加点)と並び、数少ない「共通テストを課さない」高知医の総合型入試(定員30名)は今年も4.4倍の志願者を集めていた。昨年の7.6倍から下がったのは英語の記述試験の代わりに英語検定試験のスコア提出が義務付けられたのが要因かもしれない。英検だと準1級は取ってないと不利になると敬遠されたのか?それでも3代目の作問チームが新学習指導要領に基づいて作る第5回共通テストがどの程度変わるか全く読めず、年内入試で早めに合格を掴みたいと願う医学科志望者が全国に多数存在することが見てとれる。