大学入試の二極化が進む日本
岡山県でも獣医学部新設の闇で話題になった岡山R大やかつて名門だった女子大など、定員割れのFラン私立大は全入の年内推薦入試で学生の確保に必死だ。その一方で東大、京大、国公立医学科など最難関大学への競争は年々厳しさが増している。東京や関西で2月の勝者となったトップ進学校の合格者は「合格おめでとう!次は東大」と合格発表日に誘われ、開成、桜陰、灘、洛南などから最上位層を集める鉄緑会で6年後の大学入試に向け受験勉強を中1から先取りしているからだ。
大学受験にフライングのペナルティはないので、鉄緑会の2年先取りカリキュラムは難関大学合格へかなり有利になる。数学などは中学の3年間で大学入試に必要な範囲は学び終え中高6年間で高校範囲をおよそ4周するという。2022年度は東大現役合格者の約2割を同会出身者で占めるほどだ。鉄緑会の会長は「東大・京大・国公立医学科などに余裕を持って合格するのが目標」と強調する。また同会長によると少子化とゆとり教育で大学全入時代と言われる中で「東大や京大、国立大医学科の入試問題はかつてと比べてもかなり難しくなっていると指摘する。
関西のトップ関関同立など私大では一般入試合格組の比率が下がって総合型・学校推薦型の比率が高まっており多くの大学で偏差値は意味を失っている。地方私立大など出願すれば合格でき誰でも大学生になれる一方、難関国公立大学への競争はむしろ激化している。行き過ぎた受験競争は準備を前倒しで始めた生徒に有利に働き、地方公立高生のような周回遅れて能力を発揮する大器晩成型が不利になる構図を生んでいる。例として旧帝7大学の合格者に占める東京圏の高校出身者の割合は2008年から23年の間に約2割も増えた。私大トップの早慶に至っては中高一貫校が多い東京圏の合格者が15年間で6割台から7割半ばへ増えている。
進学実績を伸ばしたい高校側の思惑も先取り教育に拍車をかけている。6年中高一貫教育を徹底するため、豊島岡女子、本郷、成蹊といった東京の有力私立中高が次々と高校からの募集を停止。千葉の千葉中高など伝統公立高でも6年一貫化の動きが進む。その波は地方にも押し寄せ、茨城県では20年度以降、水戸一高や土浦一高などの地域トップ校を含む公立10校が中高一貫に転換した。地方の公立高校から高い志を持つ生徒が東大法学部へ進み、天下国家を司る中央省庁を目指す「人生逆転の大チャンス」的な受験の醍醐味が都会の中高一貫エリート校がリードする受験の早期化によって失われつつあることを危惧する声も出てきている。
四国の自称進学校から運と努力で這い上がり、米国のトップ公立大の大学院を卒業し世界を歩いてきた自身の経験から「格差の拡大」を実感している。ハーバード大など米国の有名私大には卒業生の子弟優遇入学枠(レガシー・アドミッション)があるが、日本の国立大学入試は世界でも類を見ないほど平等だ。どんな環境に生まれた人でも東大にだって受かることが可能だからだ。そんな18歳の逆転チャンスがあるのになぜ勝負をしないのか。寝る暇も惜しんで夢を叶えるため受験競争を必死に戦っている人がいる一方、ネット漬けの毎日を漫然と過ごし誰でも入れる私大に課金していく高校生を見るにつけ、早くも自分の可能性をあきらめ漫然とゆるく生きるZ世代の風潮を残念に思うのである。
高知大医学科総合型入試の合格者30名が発表されたが大安寺中教の現役生1名が合格したようだ。共通テストを課さない国立医学科の年内入試は他には難しい筆記試験を課す東北大AOII期とこの度皇族の方も合格された筑波大推薦の2大学しかないので、岡山県の高校から今年度第1号の国立医学科合格者となるだろう。高知医総合型では今年から英語の筆記試験の代わりに検定試験を点数化するので英検で準1級以上合格していると有利に戦える。地方の国立医学科にさえ岡山県の中学校2校に1人ぐらいしか現役合格できていないのがリアルな現実だ。
当塾でも合格率を1%でも上げてもらいたいと現役志向の女子さんを中心に国立大学の学校推薦型入試を受けてもらっている。1名は国立医学科の一次選抜に合格し残り1.5倍、共通テストで決まるので全力を尽くして欲しいと願っている。米国の著名大学院の厳しいAO入試を勝ち抜いた講師が各生徒さんの適性を見ながら多彩な受験戦略を提案するのも当塾の付加価値である。第2回英検では塾生2名が最終合格、累計12名の準1級合格者を出すことができた。教材は利用するが特に英検対策はしていない。生徒さん達が頑張って結果を出してくれて本当に嬉しく思う!