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岡山地区の国公立医学科合格者(神学年だった朝日高以外は苦戦)

Mar. 21, 2025 大学合格戦略

今年の国公立医学科受験も壮絶な戦いとなった。とりわけ毎年5名以上岡大医学科に現役合格させてきた広大福山、大安寺中教、岡山白陵からの現役合格者が1名のみに留まったことから見ても多数の浪人が出た模様だ。岡山朝日の四国4医学科への合格者数が未だ不明だが、京都医・九州医に1名ずつ、大阪医に3名と旧帝医学科に5名、東京科学大後期・神戸医前期に2名ずつ合格させており最上位層(有名私立中高W合格者が多く普通の朝日生ではない)は断トツで強かった。朝日の京都医・大阪医・岡山医・東京科学大の6名はO州生と判明したが、東大理1・理2、京大理系上位の薬学部・理学部にも現役生が計9名受かっている。N会が国医合格者(昨年14名)を宣伝しない=合格者が少ないことを意味するだろうから久しぶりにO州の圧勝だろう。河合共テ全国最高ボーダー(95%)の東京科学大医学科後期(定員10名)に首都圏の強豪校に競り勝って2名も現役合格したので朝日高だけは前年の国医合格者29名を維持することも可能だろう。近年見たこともない「神」学年だった朝日以外の高校が軒並み前年比大幅減だったことから岡山県内の国医受験生全体としては大苦戦したことがわかる。

高よび、岡山S学院さんの広告で浪人生の数字も概ね出たが既卒の国医合格者数は駿台・河合など県外組も合わせて前年の45名に近づくだろう。Sさん(国医県内生合格9名、前年比1名減)から女子校日本一の桜陰卒が岡山医に合格していたが、昨年の芝高男子と同様に親族の住む岡山で浪人してたのかも?岡医合格者への6年間学費支給制度を利用した県外生を広告塔にしているが、当塾はブレずに地元岡山の子を合格させている。県外予備校で1浪目失敗した人も帰岡して通ってるようで2浪以上の再チャレンジ勢が多そうだ。

過去4年間岡山県の高校から60名前後の国医現役合格者を出していたが、大安寺、岡白の2校だけで現役合格者を昨年比14名も減らし、岡山朝日(昨年現役14名)が倍増させない限り大幅減となる。県内の現役合格者は40名超えられるかどうか微妙な状況だ。進研模試の岡山県受験者約7000名中、北は旭川医大(岡山学芸館)から南は高知医(大安寺AO・岡白)まで全国どこかの国公立医学科に現役合格できた確率は0.6%台(約160人に1人)と共テ開始以来最も少ない結果を予想する。
△広大福山(重複合格できる防衛医大を除く):
24年度国公立医学科合格34名(現16名+浪18名)→★25年度27名↓(現13名+浪14名)
24年度岡山医合格9名(現6名+浪3名)→★25年度3名↓(現1名+浪2名)
●大安寺中教:
24年度国公立医学科合格15名(現13名+浪2名)→★25年10名↓(現5名+浪5名)
24年度岡山医合格6名(現5名+浪1名)→★25年度2名↓(現1名+浪1名)
●岡山白陵:
24年度国公立医学科合格22名(現11名+浪11名)→★25年15名↓(現5名+浪10名)
24年度岡山医合格5名(現4名+浪1名)→★25年度3名↓(現1名+浪2名内1名推薦)

塾生にも岡山白陵を除く(私立高校生は募集していない)広大福山、大安寺中教の国立医学科志望者がいるので敢えて厳しめに分析したい。まず昨年東大13名現役合格させ、京大、国公立医学科と160名の定員で2倍の定員を持つ岡山朝日に完全勝利した大安寺中教の勢いが止まった。東大現役合格者数・国公立医学科合格者数共に13名→5名へと6割減だ。去年の大安寺は東大・京大・国立医学科で朝日に完勝していたが、今年の朝日は共テ9割以上を22名出した通り優秀で、東大21名(昨年11名)、京大14名(昨年3名)と完全復活を遂げ国立医学科でも岡山県トップ維持は確実だ。大安寺でも岡山医現役合格者が1名しか出なかったことから、四国や山陰の国立医学科で常時A判定出してない人が岡山医に突っ込むのは危険だ。高松(7名)・丸亀(5名)の香川勢、土佐(4名)、愛光(3名)、徳島文理・鳥取西(2名)などから理系強者がA判定上位で合格確実な地元医学科を捨てて岡大医学科に挑戦してくる。2年前国医合格者ゼロだった県北の神童を集める津山中高は7名(昨年8名)と県境の鳥取医(3名)に注力してから安定したが、まだ現浪の国医合格者を確認できない就実HG(昨年6名)は去年まで勢いがあった大安寺中教と共に一旦ピークをつけたのかもしれない。朝日以外は壊滅状態で前年増となったのは津山と並び理数科を持つ倉敷天城、昨年は元塾生が現浪、私立合わせて唯一の医学科合格者(香川医推薦)だったが今年はO塾の現役1名、S学院の浪人1名の計2名が岡山医の激戦を突破、香川医・鳥取医にも現役合格したのに加えて九州医に浪人が合格したのは立派だ。

岡山白陵は170名のうち現役合格者が山梨医後期で1名増えても5名(現浪15名)のみと近年で最大級に落ち込んだ。半数の80名位は国医志望者がいるはずで、16人に1人の国医現役合格率まで落ちていた(北よびに浪人生を送っているのか?九州の熊本医・長崎医・鹿児島医の浪人3名合格が急にUpされてビックリ)。中学入試で年々大安寺にトップ層を奪われているが、今年は大安寺も大幅減だったので岡山県全体で医学科受験者は相当苦戦したに違いない。岡白と同じ私立中高一貫校で生徒数が117名しかいない徳島文理は2年連続東大理3(中四国の高校初の3年連続合格)&慶応医W現役合格者を出し岡山医へも現役2名、前期合格発表の最後を飾った名古屋大でも昨年の東大理3現役合格女子に次ぐ次席だった浪人生が名大医学科に合格して国立医学科合格者は18名(内現役13名)と健闘。今年も国医現役合格率全国30位以内(昨年12位)にランクインするだろう。広大福山は推薦を除く前期現役合格者が6~7名しか出ておらず、共通テスト開始の2021年(岡山医現役合格1名のみ)と同じく、何故か新課程入試の高得点勝負に弱かったが、東大10名全員現役合格、年々定員が減り高よび生でも2名しか復活できなかった後期入試で山口医・鹿児島医の現役生が合格、岡山地区中学受験最難関校の底力を見せた。

今年度国公立医学科合格者数を動かした要因の一つは関西トップの灘、続く甲陽学院に代表される私立中高一貫校の「東大よりも医学科志向」だろう。灘は24年から東大理3は9名(昨年12名)、京都医は19名(25名)に減らしたが、岡山医に1名現役合格させるなど全国の国公立医学科に合格者を分散していた。甲陽学院は23年度の国医合格者が前年の60名から33名へ半減する一方、東大合格者を倍増させる東大シフトを起こしていたが今年は59名(現役35名)と国立医学科志向に再び回帰し地元の神戸医に14名、岡山医にも2名合格していた。東大の足切り厳格化により、理1・理2を目指してきた理数強者が医学科に志望変更したのかもしれない。16年連続国公立医学科合格者数トップの東海や現役合格率全国トップの久留米大附設の発表を待ちたいが、最近の国公立医学科入試では公立の中高一貫校では困難な全教科完全先取りする都会の私立中高一貫校の現役生が強い。甲陽学院から徳島医へ4名合格、筑波大附属から推薦で香川医合格など、国立医学科への現役合格志向が高まり都会の強豪校の生徒が1年でも早く医師になるために6年間の免許合宿の乗りで容赦なく地方医学科に落としてくる時代だ。以前は関東や近畿地方の近場の国立医学科を目指した人がダメだった場合、早慶の理工系など別の学部に行く人が多かった。最近は受かる医学科を探して飛行機や新幹線で帰省しやすい四国や九州の国立大に降りてくる人が増え、地方の受験生が押し出されている。来年から前期10名を地域枠に回す長崎医など地元に残ってくれる人の確保に必死な大学も多いが、地域枠を4名まで減らした岡山医は地元生を守る気はないようだ。

岡山医について県内生は毎年5名以上合格していた朝日高卒の高よび浪人でも塾生を含めて2名しか受からなかったように現役、浪人共に県内生は大苦戦だった。広大附属・広大福山・愛光・高砂白陵から3名ずつ、甲陽学院、須磨学園、徳島文理から現役2名ずつ、桜陰・灘・東大寺・洛星・智弁和歌山・昭和薬大附属など国医合格者を40名以上出す全国の私立中高一貫校から1名ずつ、東大医学部推薦合格者を出した大分上野丘、41名東大合格者を出した浦和など各県のトップ公立高から攻めてこられた。既に県外52の高校から80名以上の合格者を確認しており、地元占有率はC1英語満点とかいう変な入試でなければ岡山医を受けていた朝日の理系現役上位が上記の最難関医学科に流れていた場合、2割台前半まで落ち込む模様。英語C1みなし満点者(昨年16名)の侵略も帰国生が多く在籍し東大に75名合格した渋谷幕張からの2名、同じく千葉の東邦大東邦(東邦医に内部進学してよ!)の1名は旧六トップの千葉医から落としてきたC1取得者だろう。東京の桜修館中教、IB課程を持つ筑波の茗渓学園などからも帰国生が降臨した可能性がある。合格高校名を見ればわかるので後日分析したい。2年連続で欠員が出た地域枠2次募集は共テ9割以上で前期落ちした人たちが国立医学科最後の席を争う熾烈な戦いとなろう。

このような大激戦の中、塾生は広福現役エースさんが無念な結果で痛恨の極みだが、広福女子さんは愛媛医に現役合格、高よびの朝日男子2名は2年続けて受験した岡山医(防衛医大正規合格)、高知医に執念で雪辱してくれ、昨年C1英語満点者の侵略でまさかの不合格、駿台京都校でパワーアップした広福女子さんは甲陽学院が10名、灘が8名合格してきた阪大医学科に倍返しでリベンジしてくれた!このレベルの受験では「運」も必要だ。塾生の合格発表の前に最上稲荷にお参りして祈っているが神様が必死で努力してきた私の生徒さん達に光を当ててくれたことに感謝したい!後輩の皆さん「県内トップ校でも国立医学科は全国区の戦いで校内順位など当てになりません。今年は広大福山や大安寺中教でも首席レベルでないと地元の岡山医に現役合格できていませんよ」全国模試でライバルとの立ち位置を確認しながら着実にゴールへの合格曲線を描くナビゲートをしていきたいと思う。医師過剰時代を控え地域枠を中心とする臨時増員枠の減員が始まり、国公立医学科入試は年々厳しさを増していくだろう。