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岡山大医学科合格者速報(県内生は大苦戦)

Mar. 29, 2025 大学合格戦略

中四国最難関の岡山大医学部医学科の高校別合格者ランキングが発表された。県内の高校では昨年14名合格者を出した岡山朝日が現浪合計8名と2ケタを切ったが5年連続全国最多、岡山白陵が3名、大安寺中教・倉敷天城・倉敷青陵が2名ずつ、津山・岡山一宮が1名ずつで複数合格者を出せたのは5校のみだった。全国の有名進学校や英語検定試験C1取得者を出す英語が強い高校から攻め込まれ県内からは現浪合わせて7校から計19名、地域枠2次募集3名を除き、地元占有率2割以下と近年最低レベルに落ち込んでいた。

県外高校では合格者数2位~4位を高松7名・丸亀5名・土佐4名と四国勢が占め、広大附属・広大福山・高砂白陵・愛光が3名、2名合格させたのは渋谷幕張・甲陽・須磨学園・高槻・徳島文理などの私立中高一貫校や山陰公立トップの出雲・鳥取西。1名合格は国公立医学科合格者数18年連続トップの東海を始め、桜陰・灘・東大寺・洛星・広島学院、医学科に強い智弁和歌山・昭和薬大附属(沖縄)など国医合格者40名以上出す私立中高一貫校、東大合格者80名出した都立日比谷、東大41名の浦和(埼玉)、京大100名の府立北野、修猷館(福岡)、大分上野丘など各都府県の公立トップ校など県外52高校から80名以上の県外生が合格してきた。22年度に岡医の2次比率が7割に上がってから旧帝大などの上位医学科志望者が直前に落としてくるケースが目立っている。今年度岡山の高校から合格者ゼロだった広島医と岡山医は中四国9つの国立医学科の中でも全国区の戦いとなる。女子校No.1の桜陰、国医合格者数No.1の東海、灘・東大寺・西大和など旧帝医学科を目指す進学校から落としてくる。彼らは岡山の生徒のように第一志望だからではなく自分の2次力で合格できると確信した医学科が岡大だったので出願してきたのだろう。

二段階選抜を一昨年から岡山医は3倍まで引き締めた岡山医の志願倍率は3.6 倍で足切りが50名余り出た、岡山医は2次比率が約7割と高く、他学部共通問題ではあるが数学が難化し逆転も可能なので、全国から2次力に自信がある人が集まり難関ぶりは変わらなかった。県内高校では以前は2桁合格者を出していた岡山白陵が現役1名を含む3名、昨年東大13名全員現役合格と驚異的な数字を出した大安寺中教も現役1名のみ計2名と不振だった。一方、倉敷青陵・天城の倉敷勢は2名ずつと健闘し、天城と同じく理数科を持つ中高一貫校である津山は浪人1名。昨年3名ずつ合格者を出した岡山操山・就実HG、1名合格の明誠特進からは合格者ゼロだった。毎年浪人して国医1名合格が限界だった岡山一宮から大激戦の岡山医に1名合格したのは立派、理数科に1人天才がいたのだろう。今年は県内生が前期で19名合格、地域枠2次募集の3名合わせても22名と昨年から11名減らした模様、高よび・S研学院など予備校さんは商売繁盛だろう。既卒合格者も減らしており2浪目に突入した人も多いのでは。

岡大は全学部で昨年から英検1級など英語外部試験C1レベルで共テ+2次英語みなし満点制度を導入し、総配点の3割強の英語500点満点がもらえる医学部医学科では定員の半数近くの45名が受験し約1/3の16名が合格をさらっていった。昨年も英検1級取得した1名が合格した徳島文理(24年国医現役合格率12位)は今年も現役2名、帰国子女入試を行う渋谷幕張からの2名、IB課程を持つ茗渓学園(茨城)・AICJ(広島)からの1名、米軍基地のある沖縄の開邦・沖縄尚学・昭和薬大附属からの3名はC1受験生ではなかろうか。共学日本一の渋谷幕張(東大75名)には帰国生が数十人いる。旧六医トップの千葉医を目指し150キロの球を打ってきた彼らにとって岡大数学は120キロの止まった球に見えただろう。昨年岡山医に来なかったのは進路指導ミスだと思ったが今年は2名合格させてきた。英語C1満点者との差を詰める目的か?岡山大は2次英語を2年連続で易化させ、数学は難化させてきた。例年なら受験しなかった都立国際高校・芦屋国際中教などから攻めてこられて危機感を持ったのか「26年度からはC1で共通テスト英語だけのみなし満点に変更します」と2次英語満点を廃止した。たった2年で入試制度を変更するとは広島大と中四国トップを争う大学として禍根を残したと言えよう。高よびで再起を期していた昨年のエース君は余裕の共テ9割超で雪辱を果たしてくれたが、現役時、1浪目と2年連続の英語500点満点制度で人生を狂わされた人もいたのではないか。混乱を招いた岡山大の入試委員は何らかの責任を取るべきだと思う。

マーク比率が4割以上あった21年度、岡山医に28名も合格させた高よびさんは例年岡山県枠を独占している地域枠が2年連続一次募集で合格ゼロ、前期で塾生も含む12名合格させたが岡山の高校出身者は4名(朝日2名、大安寺・岡白各1名)に留まり、丸亀から2名、愛光・土佐高卒が1名ずつ合格していた。合格確実な地元医学科を捨ててまで岡山医に挑戦してくる強豪に対抗するには四国や山陰の医学科でA判定上位を取っておかねば跳ね返せない。岡山朝日も昨年の14名合格から8名に減らしたが、京大・九大各1名、東京科学(旧医科歯科)・神戸大各2名、阪大3名と計9名もの超難関医学科合格者が出ていた(神学年!)その中には全国からC1英語満点者が何名侵略してくるか最後までわからないリスクを避けた人もいたのではないか?旧帝医レベルも受かる実力を持つ人達が地元の岡山医に毎年余裕で合格していたことが今年の朝日高の結果で証明されたのかもしれない。

毎年朝日の上位1桁はレべチだ。彼らは純粋な朝日生ではなく中高受験で灘高生、東大寺学園生、洛南女子生になっていたはずの天才たち、実家が岡山なので朝日高に通っているだけだ。常時理系1桁に入る人たちと2番手の上位生との間に大きな格差があるのが朝日の特徴だ。広大福山もそうだが朝日高の岡山医現役合格者の中には旧帝医学科に合格する実力の人が混じっている。逆にそのレベルでないと岡山医に受かる保証はないだろう。本日国立医学科最後の入試となった地域枠コース欠員2次募集が実施された。共テ9割以上取ったが2次でやらかした実力者同士の壮絶な戦いとなるだろう。なお岡山県枠4名のうち3名は期限切れした臨時定員枠、厚生労働省は医師多数県の岡山などから東北などの医師少数県の医学科に27年度から「医師の偏在対策」で移管する方向だ。そうなると毎年確実に岡山県の高校生が合格できる恒久定員は1名が残されるのみとなる。四国や山陰など平均15名以上地域枠を採る県と比べ、地元の国立医学科に合格するには恐ろしい合格実績を出す全国の有名進学校の受験生に打ち勝つしかなくなる時代が迫っている。