大手予備校も手抜きとは!?
大学入試完全対策シリーズ(青本)の共通テスト対策問題集が出ていたので「やったー!新しい予想問題ゲット」あやうく衝動買いするところでしたが、センター試験本試5年分+センター試験追試3年分+共通テスト試行調査2回分の計10回収録って!?ほとんど使えないじゃないですか!
上記の青本では「共通テストの実際の過去問がない現状では、センター試験の過去問を用いて演習を重ねることが大変有効な対策となります」と書いてありましたが、これは手抜きだと言わざるをえません。 実際センター英語で共通テストに利用できるのは2割程度で、それも注意深く「使える部分」を切り出さないと生徒さんの貴重な学習時間をムダにしてしまうことになります。
上智外英の偉大なる後輩、東進の安河内先生は「共通テストの英語は英検など民間英語試験の導入よりインパクトが大きい」と指摘します。センター英語の「筆記」が「リーディング」に変わり、その名の通り最初から最後まで読解力を測る出題形式となりました。センター英語の半分を占めた発音・アクセント・文法の知識を問う問題が廃止され、共通テストでは料理レシピや旅行体験のブログなど実用的な題材となり、それらについて情報を読み取ったり、書き手の意図を把握したりする設問が続きます。安河内先生が「ようやく英語の入試問題が一新されグローバル基準に近づいた」と歓迎している理由は、覚えた知識の量ではなく「知識を実際に使えるか」どうかが問われるようになったからです。
大手予備校で最も頻繁に共通テスト模試を実施してくれている東進の共通テスト対策講座でさえ、センター過去問5回+試行調査2回+オリジナル問題3回と3割しか共通テスト予想問題を作成してないようです。特にセンター試験から大幅に思考力問題に変わる英語、数学IA、国語の現代文は優秀な予備校講師が試行問題を分析して作問する予想問題での対策が最も効果的です。
センター過去問を使う際は各科目のプロ講師にソムリエになってもらって共通テストで使える問題を厳選してもらいましょう。時間のない高3の皆さんは共通テストで得点につながらない勉強は避けるべきです。「センター過去問で共通テスト対策もばっちり!」とか言ってる先生方、ご自身で各種共通テスト模試解いてみてから言って下さいね。特に今年はコロナ騒動で約50万人が全国大移動する2次試験がどうなるかわかりません!?。今春旭川医大の後期入試で「2次試験なし、センター試験のみ」で合否が決められた実績もありますので。まずは共通テストで高得点を取ることを目標とするのが最悪な状況の中での最善の策だと思われます。