ガツガツ型受験勉強のすすめ
古文のマドンナといえば、荻野文子先生。上智大学の偉大なる先輩(文学部国文学科、私は外国語学部英語学科)です。予備校界で数多く活躍する上智出身者、ちょっと尖がった人が多いですね(私もか⁉)。荻野先生が受験生を勇気づけるため綴ったメッセージを紹介します。「遠く日月を惜しむべからず。ただ今の一念。むなしく過ぐることの惜しむべし」=「遠い将来までの月日を惜しんではならない。ただ目の前の一瞬が無駄に過ぎることを惜しむべきである」徒然草から兼好法師の教えだそうです。
ほとんどの学校や塾・予備校が休校になり、今年最初の大学入学共通テストを目指す受験生の皆さんは不安を抱えていると思いますが心配しないで下さい。休校が解除されても、コロナ対策の模索が続き本格的な授業に戻るのは当分先のことです。これをピンチではなく、自主学習のチャンスと捉えましょう。
この期間はコツコツ型の勉強より、ガツガツ型の「荒修行」に変えましょう。あれこれ手を広げず、一つのジャンルを一気に最後までやり通すのです。例えば、英文解釈なら1冊の参考書を1週間で読破し、これを4回は繰り返します。たとえ忘れても振り返らず基本的な内容が理解できたら前へ進みます。1週間目で全体の概要がわかり、2週目であちこちのつながりに気づきます。3週目で立体的な仕組みが浮かび、4週目でようやく暗記できます。
学校が再開したら、授業はあなたにとって復習の時間♪例えば、英文解釈では覚えた単語や文法を駆使して「自力で訳す」訓練をします。こうして、自分が学習の主導権を握れば、学校の授業を実戦向きに変えることができます。時間の余裕も生まれ、やり切った達成感で心が明るくなると思います。自分がコントロールできないことを心配しても仕方がありません。延期された東京オリンピックを目指す選手が毎日筋トレに励むように、受験生も「今できること」に集中しましょう。
保護者の皆様には「勉強が遅れる」「受験が心配」などの不安なフレーズは口にせず、過保護や過干渉もぐっとこらえて、見守っていただけたらと願います。「あせらない、あきらめない、あなどらない」三つの心構えを胸に、受験生の皆さん、自分のでき得るベストを尽くして下さい!