共通テストボーダー得点率発表!
河合塾が2度に渡って順延していた全国模試ベースでは史上初の全統模試共通テストボーダー得点率(50%の合格可能性)がついに発表されました!40年にわたるセンター試験のデータからあまりにも乖離した為「新しい受験様式」を公表するのに慎重なデータ分析が要されたのでしょう。例えば当塾で志望者が多い国公立医学科で大きくセンター得点から下がった大学をピックアップすると
東日本の医学科の最低ボーダー:
79%山形大(センター85%から6%↓)
79%弘前大(センター84%から5%↓)
79%札幌医科大( センター84%から5%↓ )
西日本の医学科の最低ボーダー:
78%大分大(センター83%から5%↓)
79%鹿児島大(センター84%から5%↓)
79%佐賀大(センター83%から4%↓)
実はボーダー8割を割り込んだ医学科には共通点があります。弘前大、札幌医科大、大分大医学科は英語リーディング(R)、リスニング(L)比率が1:1、佐賀大、鹿児島大医学科は3:1といずれもリスニング比率が高い大学なのです!?全統高2共通テスト模試から河合塾は正確に各大学のR:Lを配点していましたので、これらの医学科志望者がリスニングで得点できていないことが考えられます。
しかも後期募集のみで東の最後の砦となる山梨大も医学科は1:1、後期定員が多い西の奈良県立医大も3:1とリスニング重視です。つまり難易度が上がるリスニングで得点できないと前期で下位医学科も受験できず、後期で復活の道もなくなり追い込まれてしまいます。山梨医は2次試験で英語を課さないため、共テ英語が傾斜1.5倍されリスニングだけで150点も配点されます。いくら理数科目が得意でもリスニングが悲惨だと厳しい戦いになるでしょう。
共通テスト総合900点の1%は9点ですので、全国で一番ボーダーが低い大分大はセンターより45点下がって700点ちょっとで50%の合格可能性があることになります。国公立医学科で最もボーダーが下がったのは山形大で54点もセンターより下がりました。何と!歯学科最下位の九州歯科大は68%です。600点余で国公立大出て歯科医になれるなんてセンター時代ではあり得ませんでした。
予想はしていましたが、50点近くも下がるとは!?受験生の皆さんは浪人生も含め新しい思考力テストに苦戦しているようです。その中で、注目したいのは「東大はどの学類も20点ぐらいしか下がっていない」ことです。つまり思考力が元々高い東大受験生は共通テストを比較的苦にしてないということです。努力型でも何とかなったセンター時代より受験生間の格差が一層広がりそうですね。
もはや東大は9割近く(800点以上)、理系最難関の国公立医学科で最低760点以上とかいう高インフレの時代は終わりました。東大で780点、国医の最低防衛ラインは700点、文系学部はもっと下がっています。逆にいえば高得点が取れて差をつけられればセンター以上に合格可能性が高まります。皆さん「共通テストいのち」で頑張りましょう!