大学入試英語がどんどん難化している
大学入試英語を解くのが大好きな講師が感じているのは、20年前、30年前と比べ、入試問題が多様化し、しかも難進化が続いていることです。数年前の日本英語教育学会で、入試英語問題の変化についてシンポジウムが開かれましたが、大きくまとめると次の3点に集約されます。
①英文読解問題の「超」長文化
②英文法問題の減少
③英作文問題の増加
大学入試英語の一貫した変化は、問題文のさらなる長文化です。この変化には量と質の2つの側面があります。量に関しては、ものすごく情報量が増えました。試験時間は30年前も現在も変わらないのですが、長文読解問題の分量は単語数で測るとおよそ2倍!になっています。また、出題される英文の質もかなり変わってきています。以前は難解で抽象的な英文の断片が出題され、それを解釈したり、和訳したりすることが大学入試での英文読解のすべてでした。しかし、長文化に伴い、英文の内容と展開を国語の現代文を解くときのように追いかけていくことが求められるようになりました。
この「超」長文化時代の入試英語を解くために、受験生は「次の展開を予測すること」「読んでいる内容を具現化すること」「背景知識の活用」を身につけなければなりません。入試英語では時事英語をはじめとして様々な分野の英文が取り上げられ、背景知識が豊富な受験生が有利になるので、当塾でも長文の背景についてはICT機器を駆使して詳しく説明するように心掛けています。
共通テストで廃止されたように、文法・語法問題の出題量と配点が減少するにつれ、英作文問題が増加しています。これは英文法の知識を持っているかどうかを試す問題から、英文法の知識を使って意味の通じる英文を運用できるかどうかを試す英作文重視へと入試英語がシフトしていると考えられます。
英文法問題から英作文問題へという変化は、いわゆる難関大学ほど顕著であり、国公立大、私立大を問わない変化です。そして、英作文も昔から出題されている和文英訳だけでなく、一定の制約や条件のもとで英文を自分で書いていく「自由英作文」の出題がますます増加しています。
尊敬する英語が使える実力派予備校講師によると、今春の入試英語で最も難しかったのは、意外にも国公立では医学論文を丸ごと出題した富山大の医学部専用問題、私立では英検1級レベルの語彙が要された近畿大医学部だったそうです。富山大も近大もかなり英語オタクの教授がいるのでしょうね。
大手塾が旧態依然と続けている単元別インプット授業、高1ぐらいまでしか効果がないでしょう。未だに5文型使って教えている先生方「暗号解読ごっこ」で英文が速く読めるようになる仕組みを言語学的にご説明いただきたいと思います。残念ながら教師の能力を超える生徒はなかなか生まれないのが現実です。スーパーイングリッシュは鉄緑会がごとく、共通テストなどの実戦演習で初見問題対応力を積み上げ、入試で得点できる本番力を養ってまいります!