初めての共通テスト、有名予備校講師の講評
国立の宇都宮大が2次試験を中止し「共通テストの成績で合格者を選抜する」と発表しました。栃木県は緊急事態宣言が発令され「受験生の健康を守る」苦渋の決断をしたようです。センター試験の後継として行われた大学入学共通テスト、大手予備校はどう見たのか?英語・数学・国語の各予備校の看板講師のコメントを紹介したいと思います。
まず上智大学外国語学部英語学科の偉大な後輩、東進の安河内講師は「知識の丸暗記を中心にしたこれまでの日本流の英語教育を受けてきた人には厳しいテストになったでしょう」センター英語で半分を占めていた発音・アクセント・語句整序問題が廃止され、実用的な長文や多様な資料を読み解く設問で語数が大幅増加となった英語をこう総括した。
スマホのテキストメッセージや、甘味料に関する論文などリーディングの題材は日常生活の場面から新聞記事、学術的な論説文まで幅広く「大学の授業や留学生活で役立つ生きた英語だ」と評価する。さすがは英語4技能派のリーダーとして政府の入試改革に関する有識者会議でガラパゴス化したお受験英語からの脱却を推進した改革派の先生ですね。
数学では100M走を最も速く走れる歩幅と1秒当たりの歩数を求めさせたり、会話文を取り入れたりした。駿台予備校の講師は「数学が日常生活に密着していることを伝えたかったのだろう。学ぶ意欲を持たせると意味では良い方向」と高評価。一方で計算結果をそのままマークするのではなく、グラフ解釈の正誤など選択肢から選ぶ新傾向問題が目に見えて増えたと指摘する。
一方、東進の国語講師は「ずいぶん肩透かしを食らった印象」と苦笑する。事前の思考調査で題材になった著作権法や生徒会の活動規約などの実用的な文章が出題されなかったからだ。現代文で生徒作成のノートなど複数の文章を読ませたことは「新傾向を出そうとする意欲は見られたが、思考力や判断力をより問うような仕掛けは殆ど感じられなかった」と言い「見せ方は工夫していても、設問や解答の仕方はセンター国語と8割方変わらない」と指摘した。
入試英語オタクの講師は機雷掃海艇のように引っ掛け問題を見抜きながら情報処理していくのですが、今回のリーディングは模試で多かったイラスト中心のビジュアル系でなく、Eメール文中心のテキストベースだったので分量が多く見え、かなりプレッシャーを感じました。一方、1問5点と配点が大きかった伝記問題が出ず、配点がフラットに分散されたので大量失点するリスクが減りました。
特定の学校について言うのも何ですが、2次記述対策一辺倒の公立伝統高とスピード型1次マーク重視の当塾とは理想的なコンビです。単語・文法などの基礎知識は小テストでこれでもか!と入れてきてくれるので、学校でやらない速読力・リスニング力・自由英作文力という入試英語で差がつく分野に特化できシナジー効果が高いです。特に共通テストの配点が高い中四国の国立医学科志望者にはおススメです。
覚えた知識を直接問うよりも、リード文を読解し、条件設定の中で知識を活用し、複数の資料を照らし合わせ、効率よく情報処理していく力が問われるようになった共通テスト。当塾では民間4技能テストも含めた多様な良問の実戦演習を通じ論理的思考スピードを強化することによって対応していきます。