英語民間試験、11大学採用見送り
2020年度大学入学共通テストで導入される英語の民間試験について、国立大の全82校のうち東大、京都大など11校が各大学の2次試験出願時に「成績提出を必須としない=実質民間試験採用見送り」ことが、読売新聞の調査でわかった。国立大に民間試験の活用を求めた国立大学協会の指針を逸脱しており、受験勉強の進め方や志望校選びなど、受験生の行動に影響を与える可能性がある。
共通テストの英語は1月にセンター試験を引き継ぐ「読む、聞く」のマーク試験が課されるほか、英検やTOEICなど民間7団体の試験で「話す、書く」の能力も測る。受験生は前年の4~12月に最大2回、民間試験を受け、その成績は国際標準規格”CEFR”に基づき6段階で評価され、共通テスト英語の得点と共に各大学へ提供される。
読売新聞が各大学に取材したところ東大や京大など8校が、CEFRの下から2番目に当たる「A2(英検準2級程度)」を出願資格とするが民間試験の成績提出は必須とせず、高校が調査書で同等の英語能力を認めれば出願可能とした。北大と東北大は民間試験を活用しない。いずれも、民間試験は居住地や経済状況による受験機会の格差のほか、異なる試験の成績を同一基準で測る難しさがあることなどを理由とした。中四国の国立大学は下記の通り「出願資格や加点で活用」となっている。
◎成績提出を出願資格とする
岡山、香川、愛媛、高知、徳島大学
◎成績に応じて加点する
広島、山口大学(広大は「英検準1級合格でセンター英語みなし満点」)
◎学部によって活用方針が異なる
鳥取、島根大学(医学科は成績提出のみ)
民間試験の活用を撤退する大学も相次いでいる。岡山大は昨年7月に英語の民間試験を全受験生に課し、その成績を大学入学共通テストの成績と合わせて評価する方針を公表していた。だが、今年3月、「全受験生に民間試験の成績提供を原則求めるものの、成績を合否判定には使わない」と変更した。岡山大は「受験生が希望する時期に民間試験を受けられるかが不透明だ。宿泊費や高い交通費がかかる地域もあり経済的格差に対する方策も定かではない」と方針変更の理由を説明している。
各大学で対応が異なることで、高校現場でも戸惑いが広がる。大阪府の私立中高一貫校は「大学が入試で何をどのように使うか分からないので、中学のうちから複数の民間試験を受けさせる」という。共通テスト第1期生となる高2生は「各大学の対応を見ながら志望校を選ばないと」とこぼす。
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