今年の共テ予想問題集(英語)の勝者は?
当塾は生徒に入試問題や大手模試を解いてもらうアウトプット重視、実戦演習型の授業を行う。初見問題への思考力が問われる共通テストや難関大学の2次記述試験に対応できるようになってもらうのためだ。
共通テストに代わり英語については「素早く正確に読め、聞ける」力が問われるようになり帰国子女のように直読直解できる人が有利になった。センター英語筆記の半分で問われた発音・アクセント・文法問題のような受験英語の対策が必要な問題が無くなったからだ。共テ英語は圧倒的に読解量が増えたので解く生徒も面倒だが、作る側も面倒くさいようで各予備校の予想問題集も古い過去問の使い回し、手抜きが目立つ。ほぼ全ての新作問題を解いてきた講師も見逃すところだったが、東進が出した改訂版は最も完成度の高い問題集だった。今年の共テ英語問題集を出来の良かった順に紹介すると、
★東進共テ実戦問題集(2訂版)
上智外英の偉大な後輩、安河内講師がリーディングを担当、後半の3題は旧版の使い回しだが、22年度の本試・追試に加え、21年度の第1・第2日程の本試験及び試行調査の形式も徹底解析し、現状で考え得る出題可能性の高いセットを提供して、実際の試験の際に形式の変更に対応できる力を付けることを主眼としている。2訂版は英・数・国のみで、他教科は旧版のままなので間違って購入しないようにご注意を。
★駿台共テ実戦問題集(青本)
去年までは駿台及び駿台ベネッセ共テ模試の使い回しだったが、今年はオリジナル予想問題を3回分新作しており、駿台さんのやる気を感じる。
★Z会共テ実戦模試(緑本)
共通テスト初年度のバージョンは他社を圧倒するオリジナル問題を作ってきたが、5つの内3つは過年度の使い回し、新作2題も在庫の?試行調査型を混ぜた手抜き問題だった。
★河合塾共テ総合問題集(黒本)
今年の共通テストの本試験問題と昨年の第1日程ベースの全統共テ模試4題しか掲載されていない。河合塾の全統模試を受けてきた浪人生は一度解いているので初見問題への対応力もつかずガッカリの出来。
★教学社共テ過去問研究(赤本)
毎年出版は一番早いが、オリジナル実戦演習問題は使い回しで、センター英語の過去問でページ数を稼いだ分厚く重たいだけの手抜き本。
英語講師の中には共テ型の問題は面倒なので解かない人もいらっしゃると思うが、受験英語を極めアメリカで英語を20年以上使ってきた者には苦ではない。教学社の赤本はセンター英語の過去問をたっぷり載せてくれているが、残された時間が有限な受験生に必要か不要か?を判断させるような非効率な問題集を提供するのはいかがなものか?同じマーク式ではあるが問題作成の理念がセンター試験と共通テストでは全く違う。共テ英語にダイレクトにアタックできる問題集を選ぶべきだと考える。