共通テスト追試英語リーディングはさらに難化!?
今年は大学入学共通テストの追試験の受験者が1800人余りで前年の8.6倍になったようだ。コロナ関連の追試対象者が急増したのは共通テストの時期にコロナ感染拡大「第8波」が重なったのが背景にあるだろう。
本試の問題を参考にできる優位性もあり、追試の問題は本試より1割程度難しく作問されると言われる。また追試に回る受験生は共テの自己採点が2週間遅れるため、2月から本格化する私大一般入試や、下旬に控える国公立の2次試験対策にかける時間も減ってしまうデメリットがある。
大手予備校の合格判定リサーチも活用しずらくなるので基本的には追試受験はおススメしないが、少人数をサンプルとする追試験で次年度以降の新傾向問題を試してきた年もあるので、毎年追試験を解いて来期の塾生達の授業に活かしている「日本最速レベル」で23年度追試英語リーディングを解いた講評を述べたい。
★英文の内容は本試よりも難しい
最後の第6問Bは2010年ノーベル物理学賞の研究テーマだったグラフェンという結合炭素物質についての科学論文だった。かなり技術的な文章で大学入試では最高難度といわれる早稲田理工英語のようだったが、最後の推測問題は本試のクマムシ論文のような無理ゲーではなかった。
★情報処理能力がより問われる
第4問の種まきスケジュールの照らし合わせ問題でトリプルパッセージが登場、引っ掛けも埋め込まれミスを誘発させる問題だった。試験の半ばで面倒な問題にブロックされ受験生は後半の難解な論説文を読む時間を削り取られてしまうだろう。
駿台竹岡師を始め予備校講師の大半は解く順番は関係ない(生徒が集中力を維持できる前提で)と言うが、4年間附属中から伝統高の黄金ルート上位の生徒達を教えてきて、英語を読み聴きするスタミナが足りていないのを感じる。大学入試センターも英語の情報量の多さの理由として「負荷をかけることで力を測っている」と説明しているので、早期から負荷をかけた実戦演習で速読読解力、情報処理スピード、リスニング力を積み上げていく対応が必要だと考える。生徒に感覚的に習得させるのには時間がかかるからだ。
ワンパターンの発音・アクセント・文法問題が半分を占め、対策すれば点数が取れたセンター英語から処理スピード重視の共通テストに変わり、英語をリアルに使える教師の方がよりフィットするようになった。どんなメソッド?と聞かれても英語ができる人の手作りアートの世界なので表現するのは難しい。公立マンモス伝統校で、帰国生やハーフの同級生を相手に2年連続で共通テスト模試校内1位通算5回、校内1ケタは複数の生徒が10回以上取ってくれた。共テ本試は英語Rが難化し、9割以上の高得点者が共テ過去3回で最少水準まで減少したが、塾生は1ミスの97点をはじめ9割台が3名と逆に差をつけてくれ手応えを感じている。