共通テスト英語問題集は本当に手抜き本が多い!?
赤本の教学社はどの出版社より早く「共通テスト過去問研究」という共テ問題集を発行している。新作の予想問題を解くのが大好きな講師がワクワクしながら丸善に走って行ってお買い上げしようとしたところ、何と、塾内模試で使おうと思っていた実戦創作問題が旧版とほぼ同じじゃないじゃないですか!
リスニング問題は全く初版のままで、リーディングはさらに悪質で最初の第1問A資料の読み取り問題の2問のみ目先を変えて「いかにも新作と思わせたい」魂胆見え見えの詐欺に近い本で、慎重にチェックしなかったら騙されるところだった。
発音・アクセント・文法問題の廃止「1回読み」リスニング問題の導入など大幅な出題傾向変更で参考にならなくなったセンター試験過去問で稼いだボリュームで過去問計22回分収載とアピールするが、1400ページもある分厚く重たいだけの問題集で使い物にならない。浪人生など過去に購入した人にとっては、他の教科もおそらく昨年度と変わっていないので買う価値はないだろう。
共通テストどの科目もリード文など分量がセンター時代より大幅に増え、問題を作る予備校講師も解く生徒も、とにかく面倒くさくなっている。多くの英語教師の皆さんはできるだけ共テ英語はやりたくないだろう。30ページを超えるテキストを黒板に板書きするのは無理なので、通常の講義形式で教えるのは難しい。
講師の場合、20年以上生活したアメリカで公認会計士をやってたこともあり、大量のデータを処理したり細かい作業を苦にしないが、純ジャパの受験英語でやってきた皆さんにとっては、まさにゲームチェンジャーな大学入試改革だったろう。
共テ赤本は今年も使えなかったし、河合の黒本も前年度全統共テ模試の過去問なので、今年の本試・追試を分析して作問する予想問題は7月出版予定の駿台、11月頃に気が向いたら出してくる東進ぐらいしか期待できない。生徒たちには斬新な予想問題を解いて実戦感覚を養ってもらいたいが本当に残念な気持ちだ。