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全国学力テスト中3英語の悲惨な結果

Oct. 14, 2023 英語テスト

文部科学省は7月末に2023年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。4年ぶりに実施の中3英語は4技能のうち「話す」の全国平均正答率(国公私立中学)が12.4%にとどまり、前回2019年より18ポイント下がった「読む・聞く・書く」は3技能の平均正答率は46.1%で4年前の前回比10ポイント低下していた。

文科省は今回の結果について「(自分たちが作ったくせに)テストが難しかった。生徒の英語力が低下したとは判断できない(では何のためのテスト?)」と意味不明な説明に終始。特に「話す」テストでは、6割の生徒が0点だった。専門家からは指導要領が高度過ぎるとの指摘や作問が適切でなかったとの見方が出た「話す」の出題では、ポリ袋に関連した環境保護が題材の動画を視聴し、英語で意見と理由を述べさせる設問も出された「英語を道具として使い、思考力や表現力を養いながらコミュニケーションをとる経験をどれだけ積めるかがポイントだ」と大手英会話教室の担当者は言う。

英語を話す機会を増やす試みは各地で拡がるが、ネーティブの外国語指導助手(ALT)の配置状況など地域間の差も大きい「日頃の授業でいかに生徒が英語を話す機会を増やせるかを意識して準備している」東京の区立中学校の教諭は強調する。同校ではALTが4人常駐し、モニターなどに英文やイラストを示しながら授業を展開する。週4回の英語の授業のうち2回はALTが主導し、授業時間の8割を発話に費やすという。川崎市は教員の育成に力を入れる。他校の授業を見学して良い点などについて教員同士で情報交換する機会を設けたり、好事例の共有に取り組んでいる。

今回の学力テストで「話す」の正答率が12%と低水準だったことを受け、文科省担当者は「教員が一方的に話しているだけで、英語でのやり取りができていないのかもしれない」と分析する。一方で苦心する現場も多い。地方の中学校の英語教諭は「学年が上がるほど教科書の語彙や文章の難易度が上がり、日常的な話題に寄せて説明するのがより難しくなっている」と悩む。ALTの少なさも課題だ。岡山市は市立中学38校に対してALTを18人しか配置できておらず、生徒がネイティブスピーカーの授業を受けられるのが週1回程度だ。市教委は「国の財政支援などがあればもう少し増やしたい気持ちもある」と明かす。東京など都市部と地方との格差がALTの数にも現れる。21年度から実施された新学習指導要領で、中学校の授業は原則英語で行われるようになったが、現場では実態とのズレが生じている。

日本の公立学校の英語教員のレベルの低さも含めて、文科省の英語教育に対するスタンスは常に揺れ動いている。振り回される現場の教師も大変だが、これからどんどん進展するグローバル化の中で生き残っていかねばならない日本の若者にとっても英語をはじめとする外国語教育の不備は深刻な問題だ。これまで授業において「知識」の習得に重きを置いてきて時間を、ICT機器やデジタル教材などを用いて(当塾ではフル活用中)効率化し「思考・判断・表現」などを促す技能統合型の言語活動の充実を一層図る必要があるだろう。

英語での授業と言えば、中四国の国立医学科2トップである岡山大、広島大にはIB(国際バカロレア)枠がある。これまでも群馬国際アカデミー、茗渓学園(茨城)、加藤学園暁秀(静岡)などのIBコースから岡山医へ、英数学館やAICJといった地元のIB認定校から広島医へ合格者が出ている。朝日塾中等教育学校も岡山医を狙ってIB認定を取得したのかと思っていたが、これまで1人も合格者が出ていない。岡山医や広島医の足切りIBスコアが45点満点中39点(横市医は40点、鹿児島医は38点)と高いのがハードルになっているようだ。朝日塾小学校卒の塾生に聞くと上位の小6生は大半が中学受験で流出し、中等教育学校は中国などの海外留学生が中心とのこと。要は国立医学科に行けるスコアが取れる学力を持った生徒が内部進学していないのだろう。同校の22年度国公立大学の唯一の合格者はモスクワ国立医科大学1名と掲載されていたが、日本人学生は1人も国公立大に合格できなかったのだろうか?

岡山大医学科はIB枠5名を新設するにあたり岡山県地域枠を7名から4名に減員した。地域医療を担う人員を減らしてまで海外のインターナショナルスクールや全国のIB認定校から英語ができる医師を養成したいようだ。今年度から導入される英語民間資格試験C1レベルでの1次・2次英語みなし満点制度といい、岡山大の国際的素養を持った人材募集への貪欲さを感じる。今年度いったい何人程度C1で合格してくるのか?わからないが、IBや英語資格試験で高いレベルを要求する岡山大医学科入試は全国最高レベルの英語ゲームに変貌するかもしれない。