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第5回共通テスト英語本試を解いた感想

Jan. 19, 2025 英語テスト

去年は北陸・能登での地震、羽田空港での航空機事故など新年から荒れた展開となったが、今年は天候も概ね穏やかな中で受験できたのは幸いだった。子供の頃から大好きだった地理の世界地誌がどこから出題されるのか毎年注目しているが去年のPacific Rim(環太平洋)に続いてインド洋周辺だった。判別を求められたUAE、インドネシアなどアジア諸国に馴染がない受験生も多かっただろう。地理総合では東三河地域が出題された。都市部を出題すると多数の人が有利になるので人口の少ない地方(旧地理はニセコ地区)を切り取ってくる場合が多いが、今回は中核都市である豊橋市が取り上げられた。経過措置の旧地理と新課程の地理との間の難易度差が若干出たかもしれない。

公表スピードの順に東進(とにかく早い)・河合塾・駿台の解答速報をパソコンに張り付いてフォローしていたが、英語リーディングの難易度については各予備校共にリーディングはやや易化、リスニングも東進・河合塾 ・駿台揃って平年並みと評価が一致した。リスニングは最後の大問6Bで話者が4人から3人に減ったの更に易化したのでは。例年通りリーディングに絞って岡山最速の英語講師を目指して講評をしたい。

リーディングは英語大好き少女の広福高1女子さんから「同日受験満点でした!」と聞き、老体に鞭打って全集中し約18分余して満点だった(リスニングはもっと楽に満点)が腰痛を悪化させてしまった。16歳の才能ある若者にはもはや勝てない現実を思い知らされた。昨年より分量が減ったなと感じたが素材文語数が昨年比1割以上減少したようだ。大学入試センターも新課程入試初年度から禍根を残したくなかったのか?2022年に公表した試作の2問はサンプルと同じ形で追加され8大問構成で大手模試と形式を変えなかった。昨年リーディングで過去最低の平均点51点まで落ち込んだ反動もあるだろうが易化したと言えよう。満点阻止の目的か?4点問題が3問(1問は3問全問正解問題)復活していた。後半の大問4から大問8の配点が6割を超え昨年より重くなったが、情報処理が楽になったので時間不足で読み切れなかった人は減ったのではないだろうか。

大問1~大問4(配点39点)
★大問1の複雑化
従来最初の大問1は瞬殺問題が多かったが今回は全パートを読ませる手こずる問題だった。最初から読んでいる人は出鼻を挫かれたかもしれない。模試よりイラストがど下手で水槽の水草が見にくかったので入試センターには改善を要望したい。全部読み切れないのはスタミナ切れが主要因なので当塾では脳が元気なうちに後半の難問から倒していく「先憂後楽」作戦で挑んでもらっている。
★全文を読ませる問題の増加
本文の内容を満遍なく読み解かないと正答にたどり着けない問題が増えた。売れ筋となっている共テ英語参考書の「問題文を先読みしてターゲット情報を抜き取り時間を節約する」スキャニング対策潰しだと思われる。加えてダミー付きの4/5並べ替え問題を2題に倍増して受験生の解答時間を奪っていた。
★NOT問題の減少
昨年は裏を聞いてくる「NOT問題」が3題も出た。直接的な問いに比べて発想の転換が要され、解答根拠を探す範囲が全文に渡り「消去法」を強いられるので時間がとられミスも誘発されやすい。今年は除外問題が1題のみで緩和された
★推測問題の減少
昨年は本文の内容(明記されてない)から推測させる思考力問題が前半から散見されたが今年はそれらしい問題は1題のみだった。

大問4~大問6(配点61点)
★出題形式の変化
大問6のスーパーヒーローの話は去年の物語文より語数が少なく、回想など時制の転換も1回のみで読み易かった。2次英語第5問に小説・エッセイ文が出る東大受験生を除いて多くの受験生は主観的な英文を読み慣れていないので話の流れをつかむのに苦労した人もいただろう。

新課程入試の初年度から混乱させたくないという新作問チームの守りの気持ちが現れた出題だった。予想が外れたと言われたくない予備校は史上最低平均点だった前年度の本試をコピーした模試ばかり解かせていたが「難→易」だったので真面目に対応してきた受験生は楽に感じただろう。今年の試験が易しくなるほど来年度の難化が心配される。今年度の易化した本試ベースの模試ばかり解かされるであろう新高3生が「易→難」へのギアチェンジについていけるのか?新高3生には気を引き締めてもらわなければならない。来年の共通テストが怖い!というのが今の心境だ。

一昨年の推測(クマムシ)問題、昨年の物語文のような初見対応が要される問題が少なかった分、模試でも得点できていた上位勢の大こけは少なかったと思われ、その分平均点は上がったのではないかと予想する。英語担当としては残念だが英語でリードしたかった子にとっては少し期待外れ、英語が苦手な子は実力差を決定的につけられる難度だったと予想する。今年の易化は来年受ける現高2生にとっては要注意だ。22年度の悪夢の第2回共通テストから新課程2年目は作問チームの任期最後の年となり遠慮なく難化させてくる可能性もある。共通テストが重要となる国立医学科志望者全員に英検準1級合格してもらい広島医、鹿児島医の共テ英語みなし満点を取れる準備は既に整えた。受験にフライングのペナルティは無いので先手必勝の現役合格戦略で戦ってもらっている。