国公立医学科入試の厳しい現実!?
昨年は医学部選抜クラス約100名中70名以上国公立医学科に合格させたS台関西校舎で、今年は私立医大も含めても約160名中40名しか医学科に合格しなかったそうです。毎年「九州の〇〇大学医学科前年比?名増↑」をアピールするきたよびさんも合格者数公表できなかったり、たかよびさんも重複合格できる防衛医大の補欠合格辞退者まで含めて広告出していたり、岡山朝日も補習科が不振だったり、例年より浪人が苦戦していた感がありました。
では、今春の国公立医学科の勝者は誰だったのでしょうか?
◎都市部の私立中高一貫校の現役生
国公立医学科合格者数14年連続トップの東海、今年の現役合格率トップだった久留米大附設、女子高トップの桜陰などは現役合格者を20名近く増やした。一方、地方の私立中高一貫校は広島学院、大手前丸亀、土佐、中四国トップの愛光までが前年比10名前後減らしている。解答を出すプロセスが複雑化した共通テストでは最上位層には点が取り易いが、思考力や読解力を課題とする層にとっては難化したと考えられる。
◎地域枠推薦を独占する公立伝統校
今春国公立医学科合格者数66名(岡山県全体でも現浪90名)と熊本高校は全国5位に大躍進した。熊本大附属中のトップ層が集結するが、理数科や医学部進学コースを設けることなくこれだけ多くの合格者を出すとは驚異的!地元の熊本大医学科合格者を35名も独占できたのが大きい。
S台予備校でさえも休校期間中は対面授業が中止、慣れないオンラインで授業が遅れトップ私立中高一貫の最上位層にのみ込まれようです。当塾はスモールスクールのおかげで、岡山県の高校が休校中の3月から6月も毎日消毒に努め授業を続けることができました。最上位以下の浪人生はコロナ休校中の3か月間で差をつけられてしまったのでは。
また、休校による習進度の遅れから文科省が各大学に「発展的内容の出題には配慮するように」と要請したことも現役生が不利にならなかった要因だったのではと推測します。個別の2次試験でも「赤本の過去問と異なり、数3や理科の後半分野の出題が少なかった」との声が上がりました。履修が遅れても合格した現役生が多かったように思います。
理系最難関の国公立医学科の場合、志望大学を自由に決められるのは多くの場合、現役の時だけです。(旧帝医志望の受験生が落としてくる岡山医など)大学名へのこだわりを捨てて共通テストの配点や2次試験の出題傾向など自分の持ち点を最大限に評価してくれる志望先への変更も思い切って考えるべきです。どこの医学科を卒業しても取得できる医師免許は同じなのですから。
緊急医師確保対策の臨時定員終了による定員減は2023年以降となる予定です。国公立医学科の後期廃止が相次ぐ中、プライドを捨てて戦略的に挑まないと多浪スパイラルに陥ってしまうリスクがあります。昨年までの「岡山医前期チャレンジ+香川医・愛媛医後期でリスクヘッジ」作戦が香川・愛媛医の後期廃止で使えなくなった高よびさんも例年より多く防衛医大を受験させていました。多浪が怖いのは入試制度改革や定員減など周囲の状況が変化しうるリスクがありメンタル的にも厳しいからです。今年も生徒さん一人ひとりの強みを最大限に活かす現役合格戦略を全力でサポートしていきたいと思います!