2年目の共通テストは難化するのか?
大手予備校のコメントを見るとほとんどが2年目となる共通テストは難しくなるだろうと予想している。駿台教育研究所によると、
初年度が易し過ぎた。1990年にセンター試験を導入した際も2年目は平均点が下がり、特に数IAの平均点は23点も下がった。来年の2年目の共通テストも平均点は下がると予想する。ただ、今春の共通テストの得点分布状況を見ると医学科受験者など成績上位層の平均点は下がっている。その理由として考えられるのは、容易に解答を導き出せたセンター試験の出題形式から、情報分析力・取捨選択力を要される共通テストに変わり、そういう問題に苦戦した受験生が多数いたことが挙げられる。
初年度の英語はセンター試験と比べ問題のワード数が1000語以上増加したが、語数は減らすが英文の内容は難しくしてくる可能性がある。国語は昨年出なかった実用的な文章が出題されると予想する。試行調査で出題された古文と漢文の融合問題も出される可能性がある。数IAは試験時間が70分に延びたが、初年度は時間内に解答できる内容だった。2年目は出題内容が見直され数学IIBと共に計算量が増えると見ている。
国語や数学も平均点が下がるだろう。英語は得点が二極化すると思われる。初年度のリスニングは東大受験者でも1回読みの問題に対応できず、合格者の平均点が前年比5点ほど下がったが、今年は対応してくるだろう。2017年・18年に実施された試行調査で出題されたような、複数の図表・グラフ・会話文などを照らし合わせた上で必要な情報を組み合わせ、総合的に考えて解答させる問題がさらに多くなると予想される。
対策として有効になるのは、基礎学力をしっかり身につけた上で、外部模試や共テ予想問題集などを活用して知識をアウトプットする実戦演習を繰り返すことだ。また、日頃から速く正確に読み取る力や問題文の中から解答に必要な情報を判断する力を鍛えておく必要もある。
いずれにしろセンター試験のときのようにテクニック中心で得点することは今後難しくなる。同様に従来見られた「センター9割以上取って逃げ切る」戦略も、共通テストではごく限られた最上位層の受験生しか取れなくなるだろう。
共通テストはしばらくは落ち着かないことが予想される。本当の意味で落ち着いてくるのは25年の新学習課程入試が行われた後の27年頃になるだろう。また継続するコロナ禍において受験生のメンタル面も大きく合否を左右しそうだ。健康面の不安はもちろん、学校生活などでも不安がある中、入試に挑まなければならない。これらの試練をいかに乗り越えられるかが勝負となるだろう。
当塾では元日も受験生全員を招集し、英語リーディングを中心に「形式変化」に備え想定外の状況をつぶしていきます。やればやるほど不安は消し去ることができます。本年もどうぞよろしくお願いいたします!