国公立大入試で「情報」追加が正式決定!
変異種のコロナ感染が急速に進む中、本試でのカンニング、東大前事件、計6科目で歴代最低平均点を更新するなど、トラブルてんこ盛りの第2回共通テストだった。そんな中、国立大学協会は2025年度以降の国立大入試で課す大学入学共通テストに新教科「情報」を加え6教科8科目の受験を原則とすることを決定した。
現在の中3生から対象となり、配点など合否判定での扱い方は各大学が22年度中に予告する見通し。国立大学協会長は総会後「未来を考えたときに人工知能(AI)やデータサイエンスは非常に重要だ」と必須化の理由を説明した。22年度から実施される高校の新学習指導要領に合わせ、共通テストを運営する大学入試センターは25年1月以降の出題科目を再編し「情報」を新設する予定。
しかし、情報を教える体制には地域間、学校間で正規の情報科免許を持つ教員数に差があり対応は急務となる。首都圏などでは情報を担当する教師全員が免許を持っている。一方、地方では特例として免許のない教員に授業をさせている事例も少なくない。全国高校校長協会の会長は「一律に課すことになったことは残念。情報科教諭が少ない地域の受験生や経過措置の問題を解く浪人生が不利にならないよう、各大学には配慮をお願いしたい」とし、教育委員会に対しては「早急に任用・研修を進め十分な指導体制を整えてほしい」とコメントした。
現高3生を見ても5教科7科目を準備するのも本当に大変そうだ。公立伝統高でも文系の社会2科目や理系の理科2科目は授業が12月に終わったらすぐ本番。ある程度自分で先取りしていなければ間に合わない。灘などトップ私立一貫校が中高の6年間先取りして45度の傾斜を登るのに対し、公立校のトップ層は75度以上の急斜面を高校3年間で駆け登る感じだ。
では、高2で全履修を終える中高一貫校が有利か?というと、地方の一貫校では倍速の進度についていけるのは上位2割程度、先取りのメリットを十分享受できるのも東大や国公立医学科に現役合格できる上位1割位だろう。公立中高一貫校も英数を先取りするようだが、岡山学区トップの朝日、倉敷学区トップの青陵などの伝統校を差し置いて大安寺・操山・天城の県立中高一貫校だけにトップ教師を集中させるのは不可能だ。
いずれにしろ新高1生の負担が増えるのは確実だ。鴨川をはさんだ京大医学部に強いライバル意識を抱く京都府立医大は共通テストのみならず個別試験でも「情報」を追加することを表明している。単科医大で他学部に遠慮なく難問を出すことで「恐怖医大」と揶揄される京府医の恐怖度は一段と高まるだろう。
新高1生の皆さん、6教科8科目となる共通テストに向けて英・数のメイン科目は早めに仕上げておきましょう。新高2生の皆さん、絶対現役合格!を目指して下さい。入試改革の狭間で浪人するのはハイリスクです。去年浪人した人で第1回共通テストから得点を伸ばせた人は少なかったようで本当にかわいそうでした。共通テストも落ち着くまでにまだまだ時間がかかりそうなので、できるだけ確実に現役合格を果たせるようフルサポートしていく決意です!