海外と日本の入学試験の相違点!?
お隣の韓国でも毎年11月に修学能力試験(修能)という大学入学共通テストにあたる全国一斉入試がある。昨年度唯一の満点獲得者は私立高麗大学に通う仮面浪人の女子さんだった。高麗大も国立ソウル大、私立延世大とSKYと呼ばれるトップ3大学の一つだが、彼女は最高学府のソウル大経営学部に進学希望だそうだ。
満点女子が受験した修能の科目は英語、国語、数学、韓国史、経済、社会文化、中国語の7科目、文系なので社会科目が多いのだが、数学の出題分野は確率・統計、経済学や第2外国語も受験と、日本と比べて実用的な科目を課している。
アメリカでも大学入試適性試験(SAT)の他に医学大学院はMCAT、法律大学院はLSAT、経営大学院はGMATと高度専門職大学院で異なるマーク式の適性試験が課される。メディカルスクールに必要なMCATの科目は生物・化学・物理・小論文だ。生物・化学を主に学ぶ米国メディカルスクール入試では数学は課されない。日本の医学科入試では数学が必須だが、選抜のツールとして利用しているのだろう。数学の難問を出さないと上位層同士の高倍率の競争となる医学科入試で差がつかないためだ。
誤答に対して減点があるのも米国のマーク試験の特徴だ。以前は大学入試で利用するSATでは誤答1つに0.25点ペナルティが課されていた。消去法で複数の選択肢を切れた場合はマークしても期待値で勝てるが、1つしか切れない場合は無回答でおいておく方が点数が削られない。
また、Computerベース(CBT)化されたTOEFL-iBTや講師が修士課程(UCLA)を修了した経営大学院の適性試験であるGMATではComputer-adaptiveという方式が採用される。最初はどの受験者も同じようなレベルの問題が出題されるが、正解が続くと難問が出題され、誤答が多いと難易度が低い問題に切り替わる。高得点を出すためには最初の方の問題を落とさず正答し、難易度の高い問題に挑まなければならない。
コンピュータ化が進む海外と比べると紙ベースの日本のマーク式テストはまだまだ易しいですね。マークした答えが運良く当たっても間違ってもペナルティ無しですから。本当に「情報」追加で共通テストは6教科8科目1000点満点に変わるのでしょうか?受験生の負担があまりにも重くなるので理系なら社会の代わりに情報を課し、5教科7科目900点満点のままでいいのではないでしょうか。