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国立医学科の学校型推薦入試が今年も人気傾向

Dec. 24, 2022 大学合格戦略

2009年頃から地域的な医師偏在の解消を目指して国立医学科で地域枠推薦を中心とする期限付きの臨時増員が行われてきた。国立大だけでも700名を超える定員増となっているらしい。様々なタイプの推薦枠の中で地域枠のような9年間の医療従事縛りがない一般枠推薦が人気で22年度も下記の医学科では軒並み倍率が上がっている(21年度倍率)。
山形医:5.0倍↑(4.5倍)
群馬医:2.6倍↑(2.4倍)
鳥取医:5.7倍↑(3.9倍)
愛媛医:3.2倍↑(2.8倍)

これらの推薦入試では11月~12月にかけて1次試験の面接・記述試験を実施し、1月の共通テストの得点を加算して2月中旬の前期一般入試前に合格発表というスケジュールになる。専願制なので合格したら前期試験や自治医大の正規合格も辞退して進学しなければならないが、一発勝負のリスクを減らし受験機会を増やせることから、数学的な合格確率が上がる。ただ、配点が高い共通テストで相対的に高得点をとることが必須となる「2次記述試験は苦手だけど1次マークは得意」なタイプの受験生にはお勧めな受験戦略だ。

前のブログで「地方国立医学科は共通テストで8割方決まる」と極端な医専予備校代表の意見を紹介したが、中四国に多い共テ配点5割以上の医学科には当てはまるだろう。岡山医・広島医など2次重視の大学も理系学部共通の標準問題なので医学科レベルの受験生間では差がつかず、やはり共テの高得点が必要となる。2次力で勝負できるのは東大・京大など超難問を出す旧帝大、他学部に遠慮せず難問を出してくる医科歯科大や京府医大などの単科医大ぐらいであろう。

おそらく旧帝大医学科以上を目指せるような最上位層の人達は受験しないだろうが、沖縄の昭和薬大附属から愛媛医、広島学院から山形医、東京の桐朋高校から香川医というように「国公立医学科に合格できれば全国どこへでも行く!」と覚悟を決めた人達は特定の大学にこだわらず、国医に毎年20人から40人以上合格させる遠くの中高一貫校からも受けてくる「医師になる」という目標をより確実に達成するために大学名の選り好みなどしないのだ。自らの制約条件を最小化し合格確率を最大化する、ある意味強い(=受かりやすい)受験生達だと言えるだろう。