国立大学医学科の推薦入試合格速報
中四国の国立大学も2月10日の岡山大・愛媛大・鳥取大を皮切りに、推薦入試の合格発表ラッシュです。特に今年度の志願者動向で大手予備校が前年度比10%以上増加を見込む理系最難関の医学部医学科の推薦倍率が殆どの大学で上昇しており大手予備校の合格者数が注目されました。
高よび(T)さん、北よび(K)さんが推薦・総合型(現役対象の推薦枠を除く)の合格者速報を出しました。
T岡山医3名(地域枠4県計9名中)
T愛媛医14名(地域枠20名中)
T徳島医4名(地域枠+一般枠+総合型46名中)
T香川医4名(地域枠+一般枠30名中)
T広島医1名(地域枠+総合型23名中)
T島根医1名(地域枠+緊急医師確保枠44名中)
T大分医1名(総合型一般枠22名中)
T奈良県立医大1名(地域枠+緊急医師確保枠38名中)
T高知医7名(総合型30名中4名、四国・瀬戸内枠20名中3名)
K宮崎医15名(地域枠30名中)
T自治医4名(正規合格昨年7名)
K防衛医10名(昨年8名からUp)
T防衛医9名(一次合格15名中)
岡山医の地域枠推薦は岡山・広島・兵庫・鳥取県計9名定員で、高よびの1名は岡山朝日、1名は岡山城東(3年ぶりの岡医合格、昨年は国医合格者ゼロ)もう1名は広大福山(広島枠?)だったようです。今年は人気で各県枠とも6倍超の狭き門でした。岡山医の推薦は共テ基準点780点と全国最強レベルです。1浪まで対象の愛媛医地域枠推薦Bは20名中7割取ったようですが定員の内15名は期限切れした緊急医師確保枠の臨時増員分で毎年文科省の延長認可が要され、医師過剰時代が迫る中いつ廃止されるのか予断を許さない状況です(打ち切られたら倍率大幅Upは必至です)。地元香川医の推薦で2名減、岡山医・徳島医・高知医・島根医で各1名減らし中四国では前年比15%(6名)減でした。
近年高よびさんは山陰の鳥取医・島根医、四国の徳島医で推薦・一般共に合格者数の減少が目立ちますが、鳥取医の地域枠の合格者は無かったのでしょうか?北よびさんは大好きな合格者↑の広告を2年間出せずにいましたが、浪人も対象の宮崎医の推薦合格は22年度からUpしたようです。九州の他の6大学の医学科(九大医学科は推薦無し)で前年比増やした大学は無かったのでしょうか?多浪できない浪人生に受験のプロである大手予備校は国立医学科の推薦、官立の自治医・産業医・防衛医大を併願させて医師になることを最優先させます。義務年限がある地域枠推薦や自治医大を下に見る人がいますが、わずかの差で浪人した人達が1年間必死に勉強して推薦入試にも簡単に合格できていないのが国立・官立医学科入試の厳しい現実なのです。
高よびから広島医地域枠18名の合格は1名(尾道北)のみ、地元広島の広大附属・ND清心・広島学院、昨年県内最多の4名を合格させた広大福山など進学校の現役生が全力で取りにくるので面接でやや不利になる(1300点中400点を面接・願書に配点)浪人生には厳しい推薦です。尾道学区トップの北高から合格者が出ており広島圏と比べ医師を十分派遣できていない備後圏の高校から採りたい広医の意向が感じられます(面接点を100点増やし裁量権を増強)。国立医学科の推薦は、個別試験のみで共テを課さない東北医AOII期・高知医の総合型(11月合格)、筑波大の推薦(12月合格)を除き、ほぼ共通テストの得点で決まります。
これから自治医大の正規合格者(前年から3名減の4名)の中で国立医学科推薦(専願)とのW合格者が辞退するので、自治医大繰り上げ合格者と防衛医大の補欠合格者(国立一般入試で合格すれば辞退)を操作する合格者数の水増しが始まります。今年は岡山医地域枠推薦でも6.4倍と全国の国公立医学科の推薦入試は倍率急増でした。M1からM8まで医歯薬クラスを持つ高よびさんの受験者数に対する実進学率が気になります。センター試験の後半には国医合格者が300名に迫っていた北よびさんも共通テスト導入後合格者が減少傾向です。
高1生が受験する再来年の入試では学習指導要領改訂に伴う大学入試改革第2弾も控えているので、高2生が受験する来年度の国立医学科入試は推薦も含めて更なる競争激化が予想されます。現行入試制度で逃げ切るために旧帝医レベルを目指していた最上位層でも直前で地方国立医学科に降りてくる人が多くなるでしょう。最後のセンター試験だった20年度は灘高生3名が岡山医に落としてきました。浪人しても有利になることはないので、例年より慎重な出願戦略が必要になります。高1生は授業では公共や歴史総合が始まり日本初で実施された情報Iの模試を受験して更に変革する共通テストに備えています。