岡山朝日 vs 高松高校(東大・京大・国医合格者数)
岡山朝日高校と高松高校、瀬戸内海を隔てたお向かいの県立トップ校同士で全国でも珍しくなった浪人生の面倒を見る補習科を残している点でも類似しており2023年度の東大・京大の合格者数を比較してみた。
(東大)
岡山朝日17名↓(現役13名)全国37位>高松12名↑(現役10名)全国57位
(京大)
岡山朝日17名↑(現役13名)全国38位>高松12名↓(現役8名)全国54位
(国公立医学科)
岡山朝日31名↑(現役15名)全国32位>高松25名↓(現役12名)全国47位
今年の東大入試は女子の合格者比率が約23%と過去最高を記録「文Iの女子占有率が3割を超えたインパクトは大きい。身近に文系最難関の法学部に進学する 文I合格者が増えることは女子を東大に呼び込むきっかけになる可能性がある」と代ゼミは分析「思考力が問われる共通テストは物事を深く考える女子には向いている。更に今年は2次の物理・数学が難し過ぎて男子との差がつかなかったことが女子合格者が増えた要因ではないか」と言う。東大が目指す学生多様化の課題の一つが合格者の関東一極集中の改善だ。この点でも変化が見られて合格者に占める関東出身者の割合が22年度の60.3%から57.5%に下がった「コロナ禍も出口が見え、地方の優秀な生徒が挑むようになり関東の受験生が押し出された展開だ」と駿台は分析する。
今年の東大合格者ランキングを見ると1位は42年連続の開成で148名だが前年比45名の大幅減となった。2位の筑波大附属駒場(87名)も9名減、3位の灘(86名)も6名減、4位の麻布(79名)が15名増やしたが、5位の聖光学院(78名)も13人減となった。以下6位の渋谷幕張(74名)、7位の西大和学園(73名)など中高一貫校が上位を占めるのは例年通りだった。
全般に東京を含む関東の私立中高一貫校が減らした分、各地方の公立トップ進学校が健闘しており、岡山朝日は戦後最多だった昨年の24名から17名へ減らしたものの現役合格者は13名と歴代最高レベル、高松高校も理系数学・物理が難化した理科一類で8名合格させるなど前年の9名から2桁に乗せた。特に合格者占有率が昨年の2.6%から4%と地域別の上昇幅が最も大きかった北陸では26位の富山中部(25名)が13名増、30位の金沢泉丘(23名)が8名増などと教育県を誇るだけあって伸ばしていた。
志願者が減少した東大と対照的に京大は志願者が2年連続の増加と人気が高い。ベスト10を中高一貫校が占める東大に対して、京大のランキングには1位の北野(81名)、4位の堀川(59名)、6位の天王寺(47名)と3年制の公立高が健闘している。合格者における女子比率は早くから2割を超えており、その背景には共学の公立高からの合格者が多いことがある。京大の地域別合格者数も東大同様、コロナ禍の影響の緩和が感じられ11位の旭丘(39名)など近畿圏以外の学校で合格者が増える傾向が見られた。
岡山朝日は久しぶりに東大理3現役合格者を出した。しかしながら、今年の高3生は東大へ50名近く、京大へも40名以上は挑戦していた模様で合格率は東大で4人に1人、京大で3人に1人ぐらいとなる(20名前後受けた岡山医も7名合格で3人に1人の合格)。難化した東大理系に関しては浪人生の合格者ゼロと不振で多浪に陥っている人が続出していないか心配だ。難関大学では現役合格率が上がっており、より地頭勝負と(センター試験と比べ時間をかけても点数が伸びにくく)なった思考力重視の共通テスト導入後、浪人して勝負するのはリスクが増したと言えるだろう。