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2023国公立医学科合格者ランキング(合格者総数)

Apr. 29, 2023 大学合格戦略

今春の国公立医学科合格者ランキング(防衛医大を除く)が発表された。現役+既卒合格者数のトップ10は次の通り(◎は私立)
1.◎東海:100名↓(昨年123名)
2.◎洛南:76名↑(68名)
3.◎久留米大附設:69名↑(64名)
4.◎灘:65名↑(64名)
5.◎ラ・サール:66名↓(76名)
6.◎愛光:59名↑(47名)
7.◎東大寺学園:58名↓(68名)
8.  熊本:56名↑(42名)
9.◎青雲:55名↑(50名)
10. ◎滝:53名↑(48名)
10.仙台第二:48名↑(36名)

昨年はトップ10全て私立中高一貫校が占めたが、今年は公立高校2校がランクインした。第1位は愛知の東海で前年の合格者を23名下回りながらも唯一3ケタ合格させて16年連続トップ。2位には前年から9名増やして6位から上げた洛南。3位の久留米大附設も5名増えて4位から順位を上げた。東海は名古屋医33名、洛南は京都医15名、久留米大附設は九州医29名と地元の旧帝医学科で圧倒していた。また灘高校は東大理三15名と桜陰(11名)から首位を奪還し、京都医も17名で東大寺学園(18名)に次ぎ2位、大阪医も1位(9名)と最難関医学科を無双するレべチの実績だった。

東大や京大のランキングではあまり目立たないが、医学科になると上位に入ってくる高校もある。6位の愛光、9位の青雲(長崎)、10位の滝(愛知)、15位の清風南海(46名)、17位の智弁和歌山(42名)などは「東大よりも国公立医学科」志向の女子生徒が多い私立中高一貫の共学校だ。関西最上位の女子が進学する洛南と同様、いずれの高校も共学化後に国公立医学科合格者数が増加している。

私立中高一貫校が強さを見せる中、公立校の最上位は合格者を14名増やし昨年16位から浮上した8位の熊本、例年通り旧六の熊本医は28名と合格者数トップだ。10位の仙台第二は旧帝の東北医19名、14位の札幌南(47名)は札幌医大20名、18位の新潟(41名)も旧六の新潟医21名と地元医学科を守って合格者数を伸ばした。学区廃止後、県内の最上位層を集め進学実績を上げている。札幌南は「医学部研究会」仙台第二は「医進会」など医学科志望者用のセミナーを実施し、新潟高校は理数科にメディカルコースを設け、私立進学校並みに医学科進学に力を入れている。

このように各地域のトップ公立高校が3年間で結果を出せるのは、大企業が本社を置く都会と違い、地方では社会的に尊敬され高い収入を得られる職業として医師の人気が高く、トップ公立校に県内から優秀な生徒が集まるからだ。一定期間の地域医療従事を条件とするものの、入試のハードルが低い地域枠推薦の定員が多い医学科のある地域では地元生の占有率が高くなる。今年度札幌南では現役生の旭川医・札幌医の推薦・総合型合格率は72%(8名合格/11名受験)と前期一般の54%(26名合格/48名受験)よりはるかに高く、受験機会を増やして合格率を上げている。

一方、有名私立中高一貫校の動きで目立ったのは兵庫の甲陽学院(60名→33名)と東京の豊島岡女子(42名→25名)が昨年から国公立医学科合格者を大きく減らしたことだ。両校とも東大合格者を甲陽学院(16名→36名)、豊島岡女子(14名→30名)と倍増させており、今年の卒業生は「医学科よりも東大理系」志向だったようだ。これら強豪校の受験生が医学科と東大どちらを選ぶかでその年の受験地図が書き換わるので、今春好調だった地方の公立進学校が来年も数字を維持できるかは予測不可能だ。

地方の国公立医学科合格には配点が高い共通テストが重要になるが、今年度、東大文I、京大薬学部など2次比率が80%、75%ある大学に合格した塾生も「共通テストの高得点が自信を生み、東大・京大レベルの難易度が高く、出来不出来の波が大きい2次試験での成功につながった」と感想を述べていた。共通テストでの成功は2次試験に向けたメンタルの維持にもつながっている。