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むちゃくちゃ複雑な東京の中学受験

Sep. 07, 2024 その他

「2月の勝者」は東京の中学受験最難関校(男子・女子の私立御三家など)の2月入試を目指す小6生が1月の埼玉入試(栄東中は日本最多10000人超の受験者数)から千葉入試(市川中は幕張メッセで約3000人が一斉受験)、そして2/1の男女御三家入試へ挑む姿を描いていた。終盤リアルだったのは、共に男子校、女子校最難関の筑波大附属駒場、慶応女子の合格発表後の追加合格ドミノだ。岡山地区でも中学No.1偏差値の広大福山中の繰り上げ次第で県立中高一貫校や私立中学で玉突き合格が起こる。ご父兄は追加合格の電話を待ち続ける毎日を過ごすようだ。当塾では広大福山生の割合が岡山朝日生と並んだが、その殆どが4科目受験の広福中と適性検査型の大安寺中教、倉敷天城中のW合格者だ。四国では国・数2科目受験の国立大附属中・私立中高一貫校と適性検査型の県立中高一貫校入試を両立できる人は少ないので、浜学園もある岡山の小学生のレベルの高さに驚いている。

東京では人生で一度きりしか受けられない最難関中高一貫校以下の私立中学は複数回受験が主流となっており、午後入試や翌日・翌々日の第2次、第3次選抜で残念だった人を拾う学校が多い。各中学が必死で採点し試験当日の夜には合否が出るので、生徒は事前に各校の入試予定を入れたチャート図を見ながら翌日の受験校を決めているらしい「2月の勝者」の桜花ゼミナールでは筑駒、慶応女子の合格発表後に開成、女子学院(JG)への補欠合格者が出ていた。合格者と紙一重の差で落ちた勝者の座席、本人たちが寄り知らぬところで運命が動く一週間だ。12歳の受験は18歳の大学受験と比べメンタル面で不安定要素が大きい。保護者の対応も重要で子供の頑張りを信じて待つことが大切なようだ。当塾でも現役生は本番の当日まで伸びしろがあるので、最後の最後まで生徒の頑張りを信じて待つ気持ちを大事にしている。

そんな過酷な受験競争で勝ち残った人たちを待っているのはグローバル化の波だ。日本の最高学府である東京大学は2027年の秋から文理融合型で5年間一貫の教養課程を新設する。世界水準の研究職の育成を目指し授業は全て英語で行われ、秋入学とし国内外から優秀な学生を目指す。5年間で修士まで取れる欧米の有力大を参考に学部4年間と修士1年間を合わせた5年制とする。入学定員は100名程度とし半数は留学生とする方針。文理の枠にとらわれないカリキュラムで学生の興味に応じて設計できるようにする。視野を広げるため1年間は企業でのインターンシップや留学などを課す。東大の学部留学生の比率は現在約2%と低く、東大は25年後に学部留学生比率30%を目指す。多様性を高め国際化推進や研究力強化につなげたい考えだ。

地方国立大の岡山大も2012年に国立大学で初めて国際バカロレア(IB)選抜を導入し、2015年からは最難関の医学部医学科を含む全学部でIB入試を開始した。広島大など他の国立大学では定員は定めず若干名(優秀な人がいた場合のみ採用)としているのに対し、岡山大は2022年から全学部でIB入試の定員化を進めた。IB推進室長にはアラブ系の女性准教授を招き、IB課程を持つ海外インター校訪問や海外での講演会も行い世界的に学生をリクルートしている。年に2回選抜がありIB生への支援もある数少ない大学であり、地方国立大でありながら国内で最もIB課程の生徒にフレンドリーな大学と言われている。

つまり、日本の受験戦争で勝ち残っても東大も岡大のような地方国立大学も国際化へ舵を切っており、世界の共通言語である英語力や研究に対する関心度が問われる時代になってきている。受験英語塾としては生徒さんの大学入学後も想定してお受験英語の範疇を超えた総合的な英語力を培ってもらいたいと願っているが塾はあくまでナビゲーターだ。生徒は受験を自分事として目標に向かって努力を続けるしかない。翌週にまた会うまできちんと自分で歩いてこられるように戦略的なアドバイスや志望大学の最新情報を伝えて送り出す。受験生の約7割が第1志望校に合格できないといわれる難関国立大学入試で、現役合格というゴールを目指して併走していきたい。