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2025年度河合塾共通テストボーダー分析

Jan. 25, 2025 大学合格戦略

河合塾の共テ50%合格可能性得点率は模試が終わる毎に更新されるので最後のセンター試験だった2020年度から定点観測している。全国の国公立医学科の昨年度共テリサーチと今年度のボーダーを比較してみるとネット上で騒がれているほど今年の共通テストは易化していなかった。易化した英語R、国語で得点できた一方、化学・物理、数学IIBCなど理系科目で実力差がつき、理系で選択が最多の地理が難化したのが主な要因であろう。

東大理3:92%→93%(+1%)
京都医:90%→91%(+1%)
大阪医:89%→90%(+1%)
岡山医:84%→86%(+2%)
広島医:84%→86%(+2%)
徳島医:81%→82% (+1%)
香川医:81%→82%(+1%)
高知医:80%→82%(+2%)

共通テスト開始以来4年間で2度も実施された得点調整は今のところない予定。サブ科目が仕上がっている浪人生しか受験しない旧課程の地歴・公民も平均点が高いが数学もかなり差が大きいようだ。平均点は進学校の多い都市部から集計されるので中間発表の数字は地方の集計が進むにつれて下がっていくのが例年の傾向だ。

21年から難化が続いた生物と物理のパランスを取るかのように物理も各大学の個別試験で難化し各予備校に溜まっていた生物選択の浪人生も昨年から相当数掃けたのではないか。一方、世界史・日本史の融合分野となる歴史総合が追加された歴史は世界史と日本史の間で10点近く差ができた。地理は8割以上とるのが困難な科目で、アメリカ生活20年の講師が熱く語っていた北アメリカ地誌が的中した21年度、香川医に現役合格した第1期生が97点取ってくれて以来お寒い結果が続いていた。去年は易化して89点取ってくれたが今年は難化でみんなの足を引っ張った。

大学入試センターは全体でバランスをとったのか?初日の国語、英語リーディングを易化させたが、2日目の化学・物理、数学IIBCは実力差が出る難度の高い問題をぶつけてきた。中間集計で73点も平均点が出た情報Iによる1000点換算でのかさ上げもあり、共通テスト全般がそんなに易化したわけではない。国公立医学科でもセンター時代と比べるとボーダーは低いままだ。前期では93%の東大理3、91%の京都医、90%の大阪医、東京科学(旧医科歯科)医の4校が9割を超えた。後期では95%の東京科学医が全国最高のボーダー得点率で名古屋医の94%が続いた。さすがに9割超えは限界に近くそれ以上のUpは望めない。最低ランクは立地が悪い富山医前期、和歌山県医・鳥取医・高知医の前期地域枠の81%で初年度の平均点が高かった情報Iを含む1000点満点ではボーダー(C判定)810点以下の国公立医学科は無くなった。

今回の共通テストでは国語や英語といった高配点科目が易化したので、旧六医以下の地方国立医学科で2%~3%の大幅Upが見られた(最高上昇率は信州医の+4%)中堅~下位の国公立医学科ではB~Dの得点帯(香川医・愛媛医でわずか20点差、徳島医・高知医で30点差)にぎっしり受験者がひしめいており、2次試験での少しのミスで逆転が起こるような壮絶なバトルが予想される。あまり共テで差がついてないので大問1つミスると共テの40~50点リードなど一気にふっ飛んでしまう配点の高い数学、実力差が出る物理・化学の記述力が合否を分けるだろう。

高3生の共テ判定リサーチの個別相談も最終ステージ。各大学の配点は千差万別なので素点は関係ない。特に大学によって1次・2次の配点、英語リーディング・リスニングの配点まで多様に異なる医学科では同じ受験生でも傾斜配点で変わるので、全国50校全ての国公立医学科の得点分布・志望者順位・記述模試の偏差値などを客観的に判断して生徒さん個別の推奨校を提示する(もちろん最後は生徒さん自身に自分の人生の選択をしてもらっている)。理系最難関の医学科の得点分布は昨年以上に高得点者でぎっしり密集しており、出願校選びがかなり合否を左右する。出願範囲(標的)を広く許容するほど合格可能性は高くなるので全国どこの大学でも受かれば行く覚悟のある受験生が強いのは当然だ。自分の好きなように確実に受かる国公立医学科を選べるのは日本最強の灘高上位20位(小学校時は浜学園の飛び級、東大理3現役合格濃厚)レベルぐらいだろう。