再びPISAショック!?
経済協力開発機構(OECD)の2018年度の国際学習到達度調査(PISA)で、日本の子供たちの読解力がここ数年低下し続けている実態が浮き彫りになった。今回は、学習指導要領の見直しなどにつながった2003年の「PISAショック」時とほぼ同水準(読解力は15位)まで下がった。
とある首都圏の有名私立大の男性教授は昨年、学期試験の答案用紙を前に言葉を失った。講義で扱った雇用問題の背景を論述させたが、段落がなく文を羅列しただけの答案が300人超の2割にも上った。主語・述語や論旨が曖昧で、学歴を学暦、適したを的したといった誤字・脱字も散見された。「何が大事か全く整理できていないんですよね」と嘆く。
異変の兆しは数年前からあった。大学生に1年間に本を何冊良くかと聞くとほとんどが「1冊くらい」。新聞はおろかインターネットニュースも見ないため時事問題を尋ねても意見が言えない。「最近の学生たちは文章を読む経験がひどく不足している。この世の中で何が起こっているかに関心を持たないと実践的な読解力は育たない」と危機感を表す。
AI搭載ロボットで東大合格を目指す「東ロボくん」プロジェクトの新井紀子氏は「今回のPISAで日本の順位が教育格差が激しい米国並みとなったのは衝撃だ」スマホによる短文や絵文字のやり取りが定着し、文法や文章の筋を読み込む力が落ちたと分析する。国際社会で活躍するには客観的な視点で互いの考えを読み取り、ロジカルに物事を捉えねばならない。国語の授業も、文章を読み、考えを論理的に組み立てる訓練をする内容にしていくべきだ。「AIが人間の仕事を奪う」といわれるが、AIは文章の論理的整合性を見抜く力は弱い。読解力を養う教育の意義がさらに高まることを予想する。
国語をはじめ、英語、数学IA、物理など共通テストで形式が変わる科目を解くには「読解力」が鍵になります。読解力がないとセンター試験ではなかった太郎さんと花子さんの会話問題などで出される理系の問題も読み解くことができないからです。スーパーイングリッシュでは生徒の思考の論理性を高める少数精鋭のアクティブ指導を通して教養主義の深い学びを大切にしております。