入試改革賛成派の私学勢の怒り!?
先月からスタートした大学入試改革についての検討会議の委員でもある日本私立中学高校連合会の会長は、国語・数学の記述式問題導入の見送りと英語民間試験活用の延期を痛烈に批判する。
政府の教育再生実行会議は2013年「高等教育と大学教育の接続・大学入学者選抜の在り方について」を発表し、①高等学校教育の質の確保・向上、②大学の人材育成機能の抜本的強化、③能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価しうる大学入学者選抜制度への転換を打ち出した。それがセンター試験に代わる大学入学共通テストである。
ところが、いよいよ20年度から実施という矢先、国語・数学の記述式問題導入と英語民間試験の活用が延期されてしまった。新テストに向けて準備を進めてきた高校2年生以下の生徒さんは誠に気の毒であり、申し訳ないという気持ちしかない。私たち私立学校も全面的に賛成していたわけではなかったが、国が方針を決めた以上、それに従って新制度に移行するのは当然のことと信じて、生徒たちと準備してきたのである。
それだけに、これまで沈黙を続けてきた人たちが直前になって、的外れな私見やクレームを発表し、本質的な議論とは無関係の非難中傷を並べ立てたことには怒りを禁じ得ない。その結果、国の方針に従い真面目に勉強してきた生徒や指導にあたった教員に対し、国は梯子を外す形になった。「なぜだ!」を怒る以外に言葉はない。
そもそも、この改革は次世代の子供たちが、グローバル化する社会の様々な分野で貢献できる力を身に付けられるように学校教育を変えていこうと始まった。英語に関していえば、現行の高校の学習指導要領でも、英語の授業は英語で教えることになっているにも係わらず、全国の高校での実施率は極めて低位に止まっている。グローバル化する社会で子供たちが身に付けるべきコミュニケーション能力の具体的なツールが英語4技能であり、情報処理能力である。今回の英語4技能試験の活用を含む入試改革はこうした状況を改善する契機になると期待していた。
現実問題として、現行のセンター試験も含めて完全な平等や格差是正を実現することは不可能である。だとすれば、その格差は情報通信技術の環境整備を進めICTを利用した試験を導入して、諸問題がどこまで解決できるのか、各関係者が知恵を絞って真摯な議論をすべき時ではないか。大学側も入試の原点に立ち戻り、それぞれの教育方針に応じて最適な選抜方法を自らの責任で確立し実施すべきである。
公立高校校長協会のトップが「教員養成課程の向上など国が現場の英語教員の能力向上を何とかすべきだ」とか人のせいにしているのに対して、私立学校のボスは自助努力の精神でまっとうな意見を主張していると思います。私立中高一貫校が東大や難関大学の合格実績で圧倒しているのもわかりますね。スーパーイングリッシュでは従来型の集団授業を超えた教養主義のアクティブ授業で「正解が1つではない問題」を考える思考力を鍛えていきます!